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空き家の貴金属標的に 侵入、窃盗100件以上 千葉県警、容疑の男逮捕

1/12(金) 10:30配信

千葉日報オンライン

 空き家が社会問題となる中、千葉県警が昨年、窃盗容疑などで逮捕した無職男(33)が、残された貴金属を繰り返し狙っていたことが判明した。専門家は「管理者は自身が住んでいないので防犯面に関心が薄い。治安悪化を防ぐため、自治体による犯罪抑止策が必要だ」と指摘している。

 「被害に遭った空き家は、家財道具だけでなく、貴金属がそのままだったケースも多く、格好の標的になっていた」。男の捜査を指揮した県警幹部は打ち明ける。

 捜査関係者によると、県警は2017年8月、四街道市の空き家から貴金属などを盗んだとして窃盗と邸宅侵入容疑で男を逮捕。被害品は指輪や切手など54点(18万円相当)に上った。所有者の女性(89)は施設に入所していた。

 男は「窃盗目的で約200戸に侵入した」という趣旨の供述をし、県警は昨年末までに裏付けが取れた約100件を窃盗容疑などで追送検した。男が関与したとみられる事件は約2年前から発生し、被害は主に木更津市や市原市など県南部の空き家に集中。被害額は数百万円に上る。

 総務省によると、2013年時点の空き家は全国に820万戸で、20年前(448万戸)の2倍近くに増加。野村総合研究所は33年に2166万戸になると予測する。

 国土交通省などによると、空き家になる原因は、高齢者の施設入所や死亡などが多く、施設から戻る可能性や処分の判断ができないといった理由で家財道具が残されたままになることがある。自治体による対策は、撤去や活用が中心で防犯が主目的ではないことが多い。

 NPO法人「空家・空地管理センター」(埼玉)の高橋巧太企画課長は「人口減少で地域の目が届きにくくなっており、空き家を狙った犯罪は増えるだろう。行政が自治会の巡回活動を促すなどの対策を進めるべきだ」と話している。