前橋育英高の初優勝で幕を閉じた、第96回全国高校サッカー選手権。優秀な選手だけでなく、テーピングでガチガチに固めた選手たちも目立ちました。スエルテ横浜の久保田大介さんによると、「練習漬け」の環境は小学生の頃にある模様です。現場の声として、記事の執筆をお願いしました。(文:久保田大介[スエルテ横浜])
「土日がすべて練習で、家族でどこにも行けなくて……」
一昨年12月、僕が代表を務めるスエルテ横浜の体験練習に来た小学一年生のご両親の言葉だ。ご両親の言う通り、彼が所属している少年団では土日が全て練習日となっているらしい。当然、週末に家族で出かけるなんてことはできない。
彼の少年団に限った話ではない。ボランティアのお父さんコーチで形成されるチームは、平日に練習ができないため、週末にまとめて練習をするというチームがほとんど。それでも、「午前中だけ」「午後だけ」で終わらせてくれるのならまだいい。お弁当を持たせ、朝から夕方まで拘束してしまうチームも多い。例え半日だけとしても、4~5時間も拘束してしまうケースもある。
そんな長時間では集中力が続くはずもなく、練習強度を保てない。全くの非効率だ。子どもたちに無駄な時間を過ごさせ、無駄なことを強いていることを大人たちはもっと自覚すべきだろう。
正月に開催された全国高校サッカー選手権や全日本高校女子サッカー選手権でも、ひざや太ももにテーピングやサポーターを巻いて強行出場している選手がとても目立った。選手の能力が10あるとして、実力を7~9の間、時に10というアベレージで出せる選手が良い選手だ。しかしその能力はケガをしてしまえば半減、ヘタをすればゼロにすらなってしまう。ゼロにさせてしまうのは、100パーセント指導者の責任だ。
ケガをする一番の原因は、練習のさせ過ぎ。負荷が積み重なれば、ケガをするリスクは当然高くなる。そこに精神的な負荷も加われば、リスクはさらに上がる。テーピングにまみれた選手達の姿は、ジュニア年代から始まる日本中の指導者が今なお脱却できない「練習をやらせないと不安になる症候群」が生み出している。それが全てではないが、遠からず……だろう。この問題は、なかなか根深い。
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