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「目標進捗具合で『プランB』へ移行」川崎重工業社長・金花芳則氏

1/12(金) 15:50配信

日刊工業新聞電子版

―足元の業績が好調な一方、2018年度を最終年度とする中期経営計画を下方修正しました。
 「鉄道車両や航空機関連事業の落ち込みが予想より大きく、修正せざるを得なかった。ただロボットや建設機械向けの油圧機器などは、計画より上振れした。ガスタービンなどエネルギー部門の再編によるシナジーも出てくるので、修正した計画は達成できる」

―全事業部門で投下資本利益率(ROIC)8%の目標を掲げていますが、進捗は。
 「八つのビジネスユニットで進捗が芳しくない。これら事業を細かくフォローし、計画達成に向けた道筋を練っている。目標の達成時期までにチェックポイントを設けて遂行が難しければ、再編や撤退、成長分野にリソースを移管するといった『プランB』への移行も視野に入れる」

―航空機部門の状況は。
 「(米ボーイングの次世代大型機)『777X』向け機体部品の本格量産が、20年にも立ち上がる。名古屋第一工場内に同機向けの新工場を建設したが、自動化が本当に進んでいる。自社開発した大型のリベット打ちロボットなど、あらゆる工程で人手が介在しない製造ラインを構築。今後はボーイングと生産技術を共有するなど、生産性向上に向けた取り組みを加速する」

―ロボット事業では熟練作業を自動化できる「サクセサー」の開発など、矢継ぎ早に手を打っています。
 「サクセサーは今までにないコンセプトで、適用できる領域はかなり広い。大手自動車メーカーなども興味を示している。自社でも鉄道車両や船舶、プラント部門などへの導入を検討する。また手術支援ロボットへの期待も大きい。18年にも日本、米国、欧州で医療認証を申請し、19年度中に販売開始したい。同分野では米国企業の『ダビンチ』が市場を独占している。他企業も開発を進めているが、当社は自社でロボットを開発できるので優位性は高い」

―鉄道車両事業の戦略は。
 「アフターサービスをいかに伸ばすかが、事業拡大のカギを握る。最近では車両とともに、メンテナンス込みの案件が増えている。センサーなどの最新技術を使ってメンテナンスコストを下げれば、利益も拡大できる。米国でメンテナンス業者のM&A先を探しているほか、アジアでは自社で拠点を整備することも検討する」