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最先端の言葉を勇み足で採用しない 『広辞苑』10年ぶり改訂のウラ側

1/12(金) 18:30配信

ホウドウキョク

岩波書店の国語辞典『広辞苑』が10年ぶりに改訂され、今日(1月12日)に出版された。

【画像】広辞苑の前身、1935年に博文館から刊行された『辞苑』

「自撮り」「婚活」など新たに1万項目が追加されたというが、項目を追加する際にはどんな線引きがあり、どんなことが心がけられているのか?
『広辞苑』改訂のウラ側を岩波書店辞典編集部の奈良林さんに話を聞いた。

改訂のタイミングに決まりはない

―第1版から第2版への改訂には14年かかり、第3版から第4版への改訂には8年かかるなど、改訂のタイミングは一定ではない。改訂のタイミングはどうやって決めている?

とくに決まりはなく、今回の改訂はたまたま10年になりました。


―今回の改訂で新たに追加されたのは1万項目。『1万語』ではなく『1万項目』と表記しているのには何か理由がある?

成句(ことわざなど一言ではない言葉)があったり、地名や人名が入ったりしていて、これらは『語』とは言いにくい。
そのため『語』ではなく『項目』という言葉を使っています。

定着した言葉だけを選び、最先端の言葉を勇み足で採用しない

―今回の改訂で「自撮り」や「婚活」などが新たに追加された一方、「ほぼほぼ」「ググる」などは追加が見送られた。追加する、しないの線引きはある?

明確な線引きはありません。
一語一語、事前に下調べをしたうえで、新聞記事に多く使われているなど、いろいろな理由を考慮して決めています。

たとえば「ほぼほぼ」の場合。
「ほぼ」という言葉は元々、広辞苑に掲載されていて、「ほぼほぼ」は「ほぼ」を重ねただけ。
頻繁に使われるようになったのも最近で、掲載するに十分な理由がなく、追加が見送られました。


―新たな項目を選ぶとき、心がけていることは?

定着した言葉だけを選び、最先端の言葉を勇み足で採用しないことです。

10年後、20年後も使われ続けているであろう言葉を採用していて、どの世代でも使われるようになったということが重要になってきます。


―新たな項目を追加するときの手順は?

まずは新たな項目を選定し、その項目を追加するかどうか、編集部内で納得いくまで話し合って決めます。


―新たな項目ははどうやって見つける?

見つける方法は、新たな項目の選定に関わった人の関心によって異なりますが、たとえば「やばい」などの現代語の場合は、広辞苑のアプリでユーザーが検索しても引っかからなかった言葉を蓄積し、そのデータを参考にしています。

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最終更新:1/12(金) 18:30
ホウドウキョク