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史上初5種の4回転 羽生、宇野に並ぶ金候補チェン

1/12(金) 8:00配信

日刊スポーツ

<他国のライバルたち(5)>

 平昌(ピョンチャン)五輪開幕が1カ月後に迫ってきた。日本勢は06年トリノ五輪金メダル荒川静香以来4大会連続のメダルに向けて出陣する。今シリーズは「他国のライバルたち」と題して、男女シングルの注目選手を紹介する。第5回はネーサン・チェン(米国)。

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 五輪の頂点を狙う羽生、宇野の最大のライバルが4回転時代の申し子チェンだ。昨季、シニアデビューすると、そのジャンプ技術の高さでたちまち世界のトップに駆け上がった。平昌五輪会場で行われた17年2月の4大陸選手権では、史上初めてフリーで5度の4回転に成功。羽生、宇野を含めた上位3人が4回転4本を跳ぶハイレベルな戦いを制し、五輪金メダル候補に名乗りを上げた。

 先日行われた全米選手権でもフリーで3種類の4回転ジャンプを5本成功し、圧勝で初の五輪出場を決めた。チェンはまだ誰も跳んだことのないクワッド・アクセル(4回転半)をのぞく4回転6種類中5種類を跳べる唯一の選手。フリーでは5種6本まで挑む計画はあるが、今季は試合ごとにさまざまなジャンプ構成を試した。五輪でどんなジャンプを何本跳ぶかはまだ不明。「自信を持って、2月に向かう」と不気味さも漂わせる。

 勝負の今季は、自身のルーツを重ねたフリープログラムに挑んでいる。移民である中国人の両親のもとに生まれ、幼い頃からスケートだけでなく、体操やバレエにも取り組んだ。そんな経歴にちなみ、振り付けのローリー・ニコル氏が選んだのは中国の実在のバレエダンサーを描いた映画「小さな村の小さなダンサー」の曲。主人公の曹馳(リー・ツンシン)氏は中国を亡命し、米国で成功したダンサーで、チェンはこの冬、直接本人と会い、話を聞いたという。

 「話を聞いていると僕の両親と共通点がかなりあると感じました。両親は中国から米国にやってきて、さまざまな苦しみを味わった。僕がいい人生を送るために、一生懸命苦労してくれた。彼と話し、映画を見たことで理解が深まった。それをもとにいい演技につなげられたらと思います」。家族への愛を込め、バレエダンサーのように美しく跳び、五輪の舞台で輝くつもりだ。【高場泉穂】

 ◆ネーサン・チェン 1999年5月5日、米ソルトレークシティー生まれ。3歳で競技を始める。15年ジュニアGPファイナル優勝。17年4大陸選手権優勝。17年GPファイナル優勝。自己ベストはSP104・12点、フリー204・34点、合計307・46点。趣味はサイクリング、読書。166センチ。

最終更新:1/12(金) 8:35
日刊スポーツ