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治療時間が短いバルーン法/ハートで決まる健康長寿

1/12(金) 10:00配信

日刊スポーツ

<心臓のスーパードクターが語る:東邦大学大橋病院・尾崎重之教授(22)>

<不整脈(4)>

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 心房がさざ波のように細かく収縮する「心房細動」は、不整脈のひとつ。薬物療法の効果がなくなってくると、非薬物療法となります。これには「電気ショック療法」「高周波カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)」「バルーン法」などがあり、電気ショックは前回ご紹介しましたので、今回は残りの2つの治療法を紹介します。

 高周波カテーテルアブレーションは、脚の付け根の大腿(だいたい)静脈から左心房まで細い管のカテーテルを挿入します。そして、心内心電図(心臓内で詳細な情報を得られる心電図)とエックス線検査で心房内の異常電位の発生源を確認。次に、その発生源にカテーテルをあてて高周波通電を行い、約60度で焼灼(しょうしゃく)します。ただ、この治療は発生源をピンポイントで焼灼し、焼灼は50~100回程度行うことが必要になるため、時間がかかるのが弱点です。

 そのデメリットを解消した治療がバルーン法で、「冷凍凝固バルーン法」と「高周波ホットバルーン法」が行われています。

 冷凍凝固バルーン法は、異常電位の発生源の肺静脈口でバルーンを膨らませて押し当て、そこをマイナス50度で冷凍凝固します。一方、高周波ホットバルーン法は同じようにバルーンを押し当てますが、冷凍凝固するのではなく、逆に60~70度で焼灼します。ただ、ピンポイントではなく、バルーンで広範囲を治療するため、どちらも治療時間は短くて済みます。

 この高周波カテーテルアブレーションとバルーン法は、治療の適応条件があります。受けることができるのは「80歳まで」で「心房細動以外に重篤な疾患がない人」。ただし、最近の高齢者は元気な人が多いので、年齢条件は主治医と話し合うと、80歳以上でも受けることが可能になってきています。(取材・構成=医学ジャーナリスト松井宏夫)

最終更新:1/12(金) 10:33
日刊スポーツ