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貝の装飾品や土器片…佐賀県重文の10点所在不明 県教委が謝罪

1/12(金) 9:42配信

佐賀新聞

 佐賀県教育委員会は11日、県重要文化財の上峰町切通(きりとおし)出土甕棺(かめかん)(三養基郡上峰町)と下中杖(しもなかつえ)遺跡(神埼郡吉野ヶ里町)の遺物計10点が所在不明になっていると発表した。貝の装飾品や土器片で、原因はいずれも特定できていない。指定文化財の管理状況の把握が不十分だったことも明らかになり、県教委は謝罪した。遺物の所在確認とともに再発防止策を進める。

 県文化財課によると、上峰町切通出土甕棺は弥生時代中期の考古資料で、1980年の指定時には出土品に貝輪(5~7センチ)10点を記録していた。貝輪を寄託していた鹿島市の祐徳博物館から昨年2月に引き取りの依頼があり、確認作業で寄託したのは3点だけだったことが判明し、残り7点は収蔵先が分からなくなった。

 問題発覚を受けて県重要文化財213件を全て調査した。うち平安時代前期の下中杖遺跡(86年指定)で、遺物の一部となる5センチ程度の土器のかけら3点が収蔵したとみられる施設から見つからなかった。これまで文化財の収蔵場所や管理状況について全体的な調査をした実績がなかったことも分かった。

 今後も別の施設に所蔵する土器片の確認を続け、2月に開催予定の文化財保護審議会で状況を報告する。文化財課によると、九州各県で同様の事例は確認されていないという。文化庁は13年に国の重要文化財指定を受けた美術工芸品を調査し、14年時点で27都府県の109件が所在不明になっていたことが発覚した。

 今後は文化財と他の出土品を明確に区分して管理することを徹底し、管理状況なども定期的に把握する。文化財課の江島秀臣課長は「県民共有の財産である重要文化財の所在が現時点で不明であることを深くおわびする。現在は指定の際に審議会委員に現地や保管施設などで1点ずつ現物を確認してもらっていて、今後も照合を徹底する」と説明した。

最終更新:1/12(金) 9:57
佐賀新聞