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次世代車が競演=戦略割れる電機大手-米家電見本市「CES」〔深層探訪〕

1/13(土) 8:31配信

時事通信

 世界最大級の家電・IT見本市「CES」が9日、米ネバダ州ラスベガスで開幕した。かつて薄型テレビなどの家電製品の展示が中心だったが、人工知能(AI)や環境対応技術の進展を背景に、ここ数年で「次世代車のショーケース」に様変わり。自動車業界が主役の座を奪う一方で、電機メーカーの戦略の違いが鮮明になってきた。

 ◇車に人だかり
 「地球上で最も大きく、影響力があり、重要な産業に革命を起こす機会だ」。自動運転車用の画像処理半導体を供給する米エヌビディアのフアン最高経営責任者は、開幕前の7日の記者会見で熱弁を振るった。この1年間で自動運転関連の協業先が約200社から320社以上に増え、引き合いの強さがうかがえる。

 発表会でも車に関心が集まった。トヨタ自動車は、完全な自動運転機能を備えた商用電気自動車(EV)のコンセプトモデルを初公開。韓国・現代自動車は、1回の水素充填(じゅうてん)で走れる距離を大幅に伸ばした燃料電池車を出展した。

 中国勢も存在感を見せた。新興企業フューチャー・モビリティーは、顔認証機能や音声対話型AIなど先端技術を盛り込んだコンセプトEVを披露。多くの来場者を引きつけた。

 ◇事業構造を転換
 一方、多くの家電製品で国際競争に敗れた日本の電機メーカーは、自らの立ち位置を見つめ直している。

 今年で創業100周年を迎えるパナソニックは、祖業である家電の展示を取りやめた。出展ブースには、電池供給先の米EVメーカー、テスラの車を置き、次世代車の車載機器など法人向け事業へシフトする意志を明確にした。

 米IT大手のグーグルやアマゾン・ドット・コムと協業し、音声AIへの対応にも注力する。津賀一宏社長は「もう一度再スタートを切る気持ちで臨まないと次の100年どころか、10年、20年先も生き残れない」と危機感をあらわにした。

 ◇家電にこだわり
 パナソニックと対照的に、ソニーの出展ブースにはテレビやスマートフォンなど家電製品が並んだ。「お客様に直接届ける商品をいかに強くしていくかがDNAだ」。平井一夫社長は、家電に力点を置く理由をこう語った。

 ただ、音声AIの対応機器拡充を発表したり、自動運転車の目に相当するセンサー技術を初展示したりするなど、将来への種まきも忘れていない。異業種との垣根が急速に崩れる中、各社の生き残りを懸けた戦略の成否はまだ見えない。(ラスベガス時事)

最終更新:1/13(土) 8:34
時事通信