ここから本文です

キタサンブラック、辻田厩務員と惜別…社台スタリオン到着

1/13(土) 7:35配信

サンケイスポーツ

 昨年12月24日の有馬記念で劇的なラストランを飾ったキタサンブラック(牡6歳)が12日、種牡馬としての生活を送る北海道安平町の社台スタリオンステーションに到着した。テレビ局をはじめ迎えた報道陣、関係者約50人が見守る中、堂々とした姿を見せた。今後は2月にスタートする種付けシーズンに向けて体調を整えていく。

 前日までほとんどなかった雪が、夜の間に約15センチも積もり、一面は銀世界。名馬を歓迎するかのようなシチュエーションが整った。キタサンブラックが午前7時、新しく種牡馬としての生活を送る北海道安平町の社台スタリオンステーションに到着した。

 「輸送中は、ずっとお利口にしていてくれました。無事に着くことができホッとしています」

 3年間の現役時代を担当した清水久詞厩舎の辻田義幸厩務員(41)が胸をなで下ろした。

 従順でおとなしいキタサンブラックが、この日は少しだけ抵抗した。馬運車から降りる際、タラップの途中で約10秒間、足を止めた。辻田厩務員との別れを拒んだのか、白銀の世界に戸惑ったのか。それでも、新天地に足を踏み入れると、いつもの堂々とした姿に戻った。10社25人の報道陣を含め約50人の関係者が見守る中、ゆったりと歩いていく。黒光りする馬体には張りがあり、現役そのままの姿だ。

 8日に滋賀県・栗東トレセンを出発し、10日に到着予定だったが、悪天候のため経由地の福島・ノーザンファーム天栄に2日間とどまった。ウオーキングマシンなどで体調管理に努め「イライラすることもなく、マイペースで落ち着いていました」と辻田厩務員。関係者から花束を贈られると「(到着が延び)幸せな2日間でした。僕のスーパーヒーロー。やっぱり寂しいですね」と目を潤ませた。

 駆けつけた清水久調教師は「相変わらずドンと落ち着いている。安心しました」と話し「健康でパワー、スタミナもある。全てを備えた馬。今から子供が楽しみです」と、期待をふくらませた。

 種付け料は500万円(受胎条件)。スタリオンステーション事務局には相当数の問い合わせ、申し込みが来ているという。事務局の三輪圭祐さん(31)は「今の日本の競馬はハイレベル。何か長所があればGIをひとつは勝てるかもしれないが、7つもGIを勝つことは無理。キタサンブラックがオールラウンダーで、総合力が高い証明です。健康で精神力も強い。それが子供に伝われば…」と期待する。

 早ければ2、3日中に試験交配を行い、2月から本格的に種牡馬として活動する。キタサンブラック第2章は、どんな物語になるのか。名馬の新たな戦いが、これから始まる。 (下村静史)

★種付け料は500万円

 キタサンブラックの初年度の種付け料は500万円。金額は1年ごとに決められ、いい子供を出したり、実績を残したりして評価が上がると、そのぶん種付け料も上昇する。ディープインパクトは初年度から1200万円がつき、キングカメハメハとオルフェーヴルは600万円、ロードカナロアは500万円だった。

★種牡馬の一日

 サラブレッドの繁殖シーズンはおおむね2月中旬から6月下旬の4カ月余り。一日1頭ペースで繁殖牝馬と種付けすれば120~140頭と交配できる。1回で受精するとは限らず、複数回種付けするケースも多い。200頭以上種付けするような人気種牡馬は、早朝、昼間、夕方と一日3回ないし、4回種付けを行っている。

★見学

 社台スタリオンステーションは新千歳空港から車で約30分のところにある。一部種牡馬は見学が可能だが、冬期は中止している。

■キタサンブラック

 父ブラックタイド、母シュガーハート、母の父サクラバクシンオー。鹿毛の牡6歳。北海道日高町・ヤナガワ牧場の生産馬。戦績20戦12勝。獲得賞金18億7684万3000円。重賞は2015年GIIフジテレビ賞スプリングS、GIIセントライト記念、GI菊花賞、16年GI天皇賞・春、GII京都大賞典、GIジャパンC、17年GI大阪杯、GI天皇賞・春、GI天皇賞・秋、GI有馬記念の10勝。馬名は「冠名+父名の一部」。

スポーツナビ 競馬情報

重賞ピックアップ