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神奈川県鎌倉市、埋蔵文化財の発掘報告書を40件未作成 「間に合わなかった」

1/13(土) 10:32配信

産経新聞

 発掘調査終了後3年以内の作成が定められている埋蔵文化財の調査報告書について、未作成のままになっていたものが、神奈川県鎌倉市内で平成17年度以降、約40件に上っていることが12日、市への取材で分かった。市文化財部の担当者は「宅地開発による発掘件数の急増で、作成が間に合わなかった」としている。一方、郷土史家からは「報告書がないと、第三者による検証ができない。市などは世界遺産の登録を目指していたにもかかわらず、あまりにお粗末だ」などとする批判の声も上がっている。

 市によると、未作成となっている報告書のうち、最も古いものは17年度に発掘調査が終了した名越ケ谷(やつ)遺跡(同市大町)だった。同遺跡は10年以上も報告書が作成されないまま“放置”されていた。そのほか源頼朝が開いた幕府跡を含む大倉幕府周辺遺跡群(同市二階堂)や、北条泰時が開いた宇津宮辻子幕府跡(同市小町)などの報告書も未作成のままとなっている。

 埋蔵文化財の発掘調査終了後の報告書作成については、16年に文化庁の委員会が示した方針に基づき、県が市町村に対して、3年以内に作成するよう基準を定めていた。報告書は図書館や資料館で市民らに公開するとともに、大学や研究機関で学術資料として活用される。

 市文化財部では「(報告書作成の)積み残しが長期間にわたって存在していることは、好ましくない」とした上で、「外部委託も行いながら、33年度までに全ての報告書作成を終えたい」としている。

最終更新:1/13(土) 10:32
産経新聞