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ヒトの脳、Wi-Fiのようにつながり「虫の知らせ」伝える 研究

1/13(土) 10:00配信

The Telegraph

【記者:Sarah Knapton, Science Editor】
 ヒトの脳は超高速無線通信「Wi-Fi(ワイファイ)」のようなものを通して相互につながっており、それにより、他人について自分が気付いているよりもはるかに多くの情報を得ていると、ある大学教授が主張している。

 英シェフィールド大学(University of Sheffield)の臨床心理療法学教授、ディグビー・タンタム(Digby Tantum)氏によると、ヒトの意思伝達で言語が果たす役割はほんの一部でしかなく、実際は、脳が必死になって他人が考えていることを伝える微小の信号を拾い上げようとしているという。

 タンタム教授の説によれば、他人やある状況について、論理的には説明できない「虫の知らせ」や直感を得ることが多いのもこのためだ。通勤客が混んだ列車の中で視線を合わせ続けることが大変難しいことも、これで説明できる。あまりにも多くの人が、脳に潜在的な情報を多く詰め込んでいるためだ。さらに、笑いが他の人にうつる説明にもなる。

 タンタム教授はこの現象を「インターブレイン(The Interbrain、脳間のやり取り)」と説明し、その理論を同名の新著で明かしている。

「私たちには、他人の感情、また他人が何に注意を払っているかについて、直接知ることができる」「それは自分の脳と他者の脳、および他者と自分の脳の直接的つながりに基づいており、私はそのつながりをインターブレインと呼んでいる」と同教授は述べている。

 タンタム教授はまた、ヒトの脳間の伝達は「偶然の漏れ」として起き、それは、においとつながっている可能性があるとしている。神経が最も活性的な脳内の領域は前頭前皮質にあり、それは嗅覚とつながっている。またこの領域は他人の視線を追う場所にも位置している。

 ヒトの化学的性質のわずかな変化は、例えば恐れや病気、性的興奮などを示す言動を伴わなくても、その状態を知らせる分子を放出している可能性がある。

「目から入った情報は、脳の後ろに運ばれて処理されるが、鼻の受容体は脳組織が薄く突出した部分に直接、接触する」「鼻に最も近い脳の領域は眼窩(がんか)前頭皮質だ。この部位がその場所にあるのは、最も基本的な他人とのつながりの多くが、においを通して行われるためかもしれない」とタンタム教授は述べている。

 同教授はさらに、人が宗教に引き付けられたり、サッカーの試合やコンサートの大群衆の中で一体になりたいと感じたりするのも脳間のやり取りのせいだと論じ、「超越的な体験がその一つで、これこそが精神性の根源や、多くの人々が生きる意味と見なすものになっている可能性がある」と主張し、「群衆の中にいると、人の考えや時間、場所、能力を超越する感覚を体験でき、一瞬の間、自分がすごいエネルギーを持った存在であるかのように感じさせてくれる」と述べている。

 一方で、なぜ殺人やテロなどの残虐行為を働く人がいるのかも説明できるかもしれない。同教授の著書では、憎しみや嫌悪、怒り、軽蔑などの感情によって脳間のやり取りが遮断され、他人の視点から状況を見ることが不可能になるのだと指摘している。【翻訳編集】AFPBB News

「テレグラフ」とは:
1855年に創刊された「デーリー・テレグラフ」は英国を代表する朝刊紙で、1994年にはそのオンライン版「テレグラフ」を立ち上げました。「UK Consumer Website of the Year」、「Digital Publisher of the Year」、「National Newspaper of the Year」、「Columnist of the Year」など、多くの受賞歴があります。

最終更新:1/13(土) 10:00
The Telegraph