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石巻・十三浜の復興本、好評 郷土史家の佐藤さん執筆 人々の歩みをありのままに

1/13(土) 16:50配信

石巻かほく メディア猫の目

 東日本大震災で被災した石巻市北上町十三浜大室の郷土史家佐藤清吾さん(76)が、昨夏著した「津波のあとの十三浜-復興への道のり」が好評で、1000部増刷された。

 佐藤さんは「恩を受けた方々への感謝と、震災復興の記録として書き始めた。読んで何か感じてもらえれば」と話している。

 本書は第1~5部で構成され、未曽有の震災から復興に向かう人々の記録だ。美談にとどまらず、いざこざも含め事実をありのままに書き下ろした。震災当時の状況や、最愛の家族を亡くした失意の中で古里の漁業復興のため立ち上がった佐藤さんの思い、急場で表れる人間の弱さなどがつづられている。

 全国各地から寄せられた心温まる支援への感謝、仮設住宅での生活の実情、道具の流出で伝承が危ぶまれた「大室南部神楽」復活までの歩みも記した。人口減少と高齢化が著しく、震災で過疎化が加速した被災地の課題などについても言及している。

 佐藤さんが原稿を書き始めたのは、震災から七回忌を迎えた昨春。書き上げた原稿は、400字詰め原稿用紙350枚に及んだ。1日で読み切れるように編集され、復興支援に尽力した「なかむら歯科」(千葉県我孫子市)の医師らで構成する「チーム仲村」が200部を発行した。

 初めは関係者への配布のみを予定していたが、出版を祝う会のメンバーから「もっと多くの方に読んでもらいたい」との声が上がったため増刷が決定。昨年12月には出版を記念する催しも開かれた。

 四六判、130ページ。800円(税別)。上品の郷やヤマト屋書店TSUTAYAあけぼの店などで取り扱っている。連絡先は斎藤みや子さん090(2950)6176。