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溺死も…入浴中の心肺停止、県内3年で1418人 冬場に多く発生、2月まで特に注意「浴室を暖めて」

1/13(土) 10:30配信

埼玉新聞

 埼玉県内で入浴中に心肺停止に陥ったのは2013~15年の3年間で計1418人に上り、うち約88%の1250人は65歳以上の高齢者だったことが、県や住宅メーカーなどで構成する「県住まいづくり協議会」の調査で分かった。発生件数は12月から2月にかけてが最も多い。同協議会は「寒い時期は浴室や脱衣室を暖房器具で暖めるなど、気温差の少ない環境づくりを心掛けてほしい」と注意喚起している。

 暖かい部屋から寒い部屋への移動など、温度の急激な変化により血圧が急変動することで起こる健康被害は「ヒートショック」と呼ばれ、失神や不整脈のほか、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こすこともある。気温の下がる冬場に多く見られ、寒い浴室などで湯船に漬かったまま意識を失えば、そのまま溺死する可能性もある。

 同協議会は、県を通じて県内全27消防本部に対して調査を実施。消防が13~15年の3年間に心肺停止で救急対応した現場のうち、浴室や洗面脱衣室で発生したケースをまとめた。調査によると、年ごとの発生件数は13年が468人、14年が505人、15年が445人だった。

 平均年齢は76・38歳。年齢別では60歳から急増し、60~64歳が65人、65~69歳が108人、70~74歳が187人、75~79歳が284人、80~84歳が322人、85歳以上が349人だった。

 月別では12月が269人で最も多く、最も少ない9月(32人)の約9倍だった。次いで多いのが1月の240人、2月の222人。12月、1月、2月の3カ月で全体の約52%を占めている。

 県内の高齢者1万人当たりの発生件数は2・51人。県内を10地域に分けてエリアごとの発生分布を調べたところ、高齢者1万人当たりの発生件数が最も高かったのは川越比企地域(川越、東松山、坂戸、鶴ケ島市など4市10町村)で2・91人。次いで利根地域(行田、加須、羽生、久喜、蓮田、幸手、白岡市など7市2町)の2・85人、さいたま地域(さいたま市)の2・83人と続いた。最も低かったのは南部地域(川口、蕨、戸田の3市)の1・35人。

 東京都健康長寿医療センター研究所は全国の消防本部への調査を基に、11年には全国で年間約1万7千人が入浴中に死亡したとの推計を公表。うち高齢者は約1万4千人に上っている。

 県内の発生状況を取りまとめた同協議会サスティナブル研究委員会の福島直樹委員長(高砂建設)は「ヒートショックを防ぐには、部屋ごとの温度差が小さい高断熱高気密住宅が有効。すぐにできる対策としては浴室をシャワーで暖めたり、脱衣室や浴室に暖房を設置してほしい」と呼び掛けている。

最終更新:1/13(土) 10:30
埼玉新聞