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《ブラジル》東洋街についに「等身大の日本」

1/13(土) 5:50配信

ニッケイ新聞

 昨年の終わり頃から今年の初めにかけて、サンパウロ市リベルダーデ地区、通称「東洋街」がようやく、「現在の等身大の日本」の姿に変わりつつあるのをコラム子は実感しはじめている。

 「これはいつの日本なの?」―-コラム子が日本からブラジルに来て、初めてリベルダーデに足を踏み入れたのは2007年の8月のことだった。そのときカルチャー・ショックを受けたのをはっきり覚えている。


 思い浮かべたのは、黒澤映画などが国際的に広がり、これから高度経済成長がはじまる1950年代頃の日本の姿。「こんな日本のイメージがまだ存在しているところがあるなんて」と、かなりショックを受けた。2010年に正式に聖市に住みはじめても、どこか気持ち的に距離感を感じていた。

 その後、「今の日本らしさ」を意識したからなのか、店頭に日本のアニメ風のイラストを施すような風景が東洋街で見られるようになったが、それも「う~む、そういうことでは・・」という印象だった。それも「今の世界の外国人が知っている日本」であり、日本の本当のところの生活実感が感じられなかったからだ。

 もう少し経った頃、日本から雑貨チェーンの「ダイソー」が進出し、日本でのイメージそのままに市内のショッピング・センターで営業しはじめるのを見たくらいから、ようやく「日本の生活実感」という、コラム子が求めるものがなんとなく感じられるようになってきた。

 「元が日本映画専門館」という歴史を持つライブハウス、シネ・ジョイアでも、必ずしもアニメ絡みだけではないJポップの人気バンドが公演を行なうようになったことなども興味深かった。

 そんな時代の流れの中、リベルダーデ駅のまん前に、現在の日本風のモダン・カフェ「89Cカフェ」ができ、トマス・ゴンザーガ通りに博多ラーメンの人気チェーン「一幸舎」が進出したが、これはかなりの前進だ。

 まず前者だが、今日の日本で日常的なのは、もはや高齢者が中心となった「純喫茶」と、外国チェーンのカフェの中間にあたる「日本独自の洋風カフェ」だろう。そこで、イチゴのショートケーキやシュークリームといった、「実は日本でのみ突出して人気のあるデザート」が食べられる。そんな日本的なリアリティのあるカフェが駅前のわかりやすいところにできたのは、「本当の日本」を知ってもらうのに格好のアピールだ。

 そして後者の一幸舎だが、ここは、21世紀になって以降、本場の福岡・博多から全国的に拡大した日本での「とんこつラーメン・ブーム」の火付け役がようやく伯国に上陸した形だ。中でも同チェーンは「一蘭」「一風堂」とならんでいわば「3大イチ」とも言える人気店のひとつ。これまで伯国でなじみのなかったとんこつラーメンの導入役としては申し分のない存在だ。

 やはり、日本に住んでいて、日常的に目や耳で感じる衣食住の感覚。これがリベルダーデには必要だった、ということではないだろうか。

 企業家出身のジョアン・ドリア聖市市長は、資本の大きな外国企業とのコラボレーションを好む傾向が元からある。そのせいか、既に聖市の日本絡みの大型イベントには積極的に顔を出している。もし、ドリア市長がリベルダーデへの投資に積極的なら、コラム子が指摘したような方向性のものを増やしていただきたいものだ。(陽)

最終更新:1/13(土) 5:50
ニッケイ新聞