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フェルナンデスの魅力は総合力、若手と一線画す実力

1/13(土) 8:00配信

日刊スポーツ

<他国のライバルたち(6)>

 平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)開幕が1カ月後に迫ってきた。日本勢は06年トリノ五輪金メダル荒川静香以来4大会連続のメダルに向けて出陣する。今シリーズは「他国のライバルたち」と題して、男女シングルの注目選手を紹介する。第6回はハビエル・フェルナンデス(スペイン)。

【写真】エキシビションで華麗な舞いを披露する羽生

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 壮大なファンファーレの直後にリンク全体へと響く「ドン・キホーテ・デ・ラマンチャ」の声。序盤から見る者の心をつかみ、百戦錬磨の男はダイナミックな表現、しっとりと滑らかな滑りを組み合わせながらプログラムを進めていく。母国スペインの名小説「ドン・キホーテ」を元にした今季のフリー「ラ・マンチャの男」は、フェルナンデスにとって特別な作品だ。

 発案は羽生も指導を受けるカナダ人のオーサー・コーチだった。14位だった10年バンクーバー五輪後の11年から師事するコーチから、数年間温めていた「ラ・マンチャの男」を提案された。「ドン・キホーテは僕だけでなく、スペインのみんなにとって大事なストーリー。それを五輪で滑れたら、こんなにうれしいことはない」。3度目の五輪に向けた勝負曲が決まった。

 フェルナンデスの魅力は総合力。伸び盛りの18歳チェン(米国)がアクセルを除く5種類の4回転ジャンプを駆使するのに対し、トーループ、サルコーの2種類で勝負する。2連覇を決めた16年の世界選手権(米ボストン)のフリーでは、演技構成点の「振り付け」と「音楽の解釈」で満点の10点を記録。その表現力で世界の高評価を得てきた。

 オーサー・コーチは昨年9月に「ハビとユヅ(羽生)には言ったんだ。『若手がたくさんの種類の4回転を跳ぶが、見習う必要はない』とね。ジャンプの数では彼らに負けても、質、振り付け、パッケージ、スケーティング…。ジャンプはその中の1つの要素でしかないんだから」と笑って明かした。秋のグランプリ(GP)シリーズ中国杯では腹痛が影響して253・06点の6位。だが、宇野も出場したGPフランス杯はフリーで苦しみながらも283・71点で優勝するなど、復調の気配が漂っている。

 フィギュアスケート不毛の国で育ち、4位となった14年ソチ五輪では「表彰台でスペイン国旗を見たかった。ガッカリだ」とうなだれた。あれから4年。「素晴らしい選手たちと争い、チャンピオンになりたい」と最高の勲章に手をかける。【松本航】

 ◆ハビエル・フェルナンデス 1991年4月15日、スペイン・マドリード出身。6歳で競技を始め、17歳となった08年から荒川静香や安藤美姫を指導したモロゾフ・コーチに師事。米国に拠点を移す。11年からコーチをオーサー氏に変更し、カナダ・トロントへ。11年にはスペイン人で初めてGPファイナルに出場して銅メダル。欧州選手権は5連覇中。173センチ。

最終更新:1/13(土) 11:26
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