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メイズ手術弱点2つ解消/ハートで決まる健康長寿

1/13(土) 10:00配信

日刊スポーツ

<心臓のスーパードクターが語る:東邦大学大橋病院・尾崎重之教授(23)>

<不整脈(5)>

【一覧】心臓のスーパードクターが語る健康長寿/連載

 「心房細動」は不整脈の代表のひとつ。治療は「薬物療法」から始まり、効果がなくなると「非薬物療法」に。非薬物療法には循環器内科が行う「電気ショック」「高周波カテーテルアブレーション(心筋焼灼=しょうしゃく=術)」「バルーン法」などがあり、前回までに紹介しました。

 紹介した内科的治療ではコントロールできないケースがありますし、最初から心臓外科手術が必要なケースもあります。心房細動の原因として「加齢」「高血圧性の心臓肥大」「甲状腺機能亢進(こうしん)症」、そして「心臓弁膜症」の4つをあげました。心臓弁膜症があることでの心房細動は心臓外科手術で弁膜症を治しつつ、メイズ手術で心房細動も治療します。

 「メイズ」とは翻訳すると「迷路」のことで、心房をいったん切開して縫合し、複雑な迷路をつくって異常な電気回路を発生しないようにします。ただ、この手術には「出血が多い」「時間がかかる」という弱点がありました。今日ではそこが改良され、心房細動の壁を切ったと同じ効果のある高周波デバイスができ、それによって弱点と指摘されていた2点は解消されました。

 加えて、この手術のときに、心房細動で血栓ができる場所の「左心耳(さしんじ)」を閉塞(へいそく)させます。左心耳は左心房から突き出ており、基本的に不要な場所。心房細動が起こると左心耳で血流がよどむために血栓ができ、脳梗塞などを引き起こしていました。その問題を解消するために、左心耳を閉塞させるのです。この2つの手術と左心耳の閉塞で、術後に抗凝固薬を服用する必要はありません。(取材・構成=医学ジャーナリスト松井宏夫)

 ◆心臓弁膜症 心臓の弁に問題が生じ、さまざまな症状を引き起こすのが心臓弁膜症。放置すると心不全に、最悪は突然死に結びつくことも。推定患者数は約250万人、手術が必要な患者数は年間約1万5000人。とりわけ、全身に影響を及ぼしやすいのが「僧帽弁」と「大動脈弁」。

最終更新:1/13(土) 10:09
日刊スポーツ