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「長編アニメーションの新しい景色」主催・土居伸彰氏が語る21世紀のアニメーションの世界とは?

1/14(日) 12:01配信

IGN JAPAN

「長編アニメーションの新しい景色」主催・土居伸彰氏が語る21世紀のアニメーションの世界とは? - Part 1

今月13日より渋谷のシアター・イメージフォーラムにて公開されている「長編アニメーションの新しい景色」は世界各国の長編アニメーションを特集上映する企画だ。この特集上映を主催するのは、海外の映画祭に足を運び、日本国内に世界のアニメーションを紹介する活動を続けている土居伸彰氏。同時に評論家として活動しており、昨年には新しい視点から現在のアニメーションを見通した「21世紀のアニメーションがわかる本」を上梓している。
今回は日本国外のアニメーションにおいて、多彩な活動を行う土居氏に特集上映をはじめ、現在の世界のアニメーションを取り巻く状況についてもお話をうかがった。

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アニメーション研究者が「面白い作品が日本に紹介されていない」現状に気づいた

ー土居さんの活動はアニメ―ション評論家のほかにアニメ―ション映画祭に関わるなど、ひとつに括れない多彩な活動をされています。あらためまして自己紹介をお願いしてもいいですか。
土居伸彰氏(以下、土居):現在メインにしているのは自分が代表を務めるニューディアーという会社で、 海外のインディペンデントアニメ―ション作品を日本で劇場配給するなど、全体的に、世界のあまり知られていない作品を紹介する仕事をしています。その紹介にはいろんなルートがあるんですね。今年で5年目になるのですが、新千歳空港アニメーション映画祭と言う、空港の中で開催される映画祭のフェスティバルディレクターも務めています。


ーそうした活動のほかに、評論家として「個人的なハーモニー」と「21世紀のアニメーションがわかる本」の2冊の書籍を出版されていますね。
土居:もともとは東京大学大学院の表象文化論で、研究者としての活動がメインでした。学部時代はロシア文学をやろうと思っていたのですが、授業でロシアアニメーション巨匠のユーリー・ノルシュテインの存在を知り、その流れで短編アニメーション興味を持ったんです。本を書いたりというのも、ニューディアーがやっている、いろんな方法で日本にアニメ―ションを紹介する一つの方法論として今は位置づけています。

同時代でとても面白いアニメーション表現があるのに、日本に全然紹介されてないと言うのに気づいた
ーこれまでの大学でアニメ―ション研究を行う方は少なくないと思うのですが、土居さんは研究者でありがならビジネスにも関わるという珍しい立場です。どういったきっかけでそうしたキャリアを歩むことになったのでしょうか。
土居:アニメーション研究自体はアカデミックな領域ではそれほど盛んではないんですね。歴史研究や、コンテンツの一部として捉えるものが結構あるんですが、芸術研究としてはあまり行われてこなかったんです。
そういうで表象文化論のような様々な分野の芸術研究をしている場所にいると、自分自身のやっていることがなかなか先生方に理解されないという状況がある。まずは、自分が研究対象とするような短編やインディペンデント作品が見られるような状況を作らないといけないと思い、上映企画をはじめとする課外活動をやりはじめました。研究者としてのアイデンティティをそうやって作っていった、ということでもあるんですが。
ーそれが今日の映画祭のディレクターであったり評論家の活動に繋がるんですね。 
土居:最終的はそうですね。時代も良かったと思います。2000年代は、DVDや動画サイトなどで、今まで観る機会のなかった海外の作品が見やすくなった。そこに海外の映画祭にたくさん行く機会が重なるようになって。同時代でとても面白いアニメーション表現があるのに、日本に全然紹介されてないと言うのに気づいたんです。それで、自分で企画してみるかと、上映会を少しずつ始めたんです。
これまでの境界がなくなった、21世紀のアニメ―ションの世界の変化

ー土居さんが昨年出版された「21世紀のアニメ―ションがわかる本」は凄くラディカルなな印象を受けました 。 「君の名は 。 」を中心にこれまでの商業アニメ―ションとアートアニメ―ションの境界をはじめ、様々な境界を取り払った世界のアニメ―ションの動向が興味深かったです 。 土居:「21世紀のアニメーションがわかる本」を書こうと思ったきっかけになったのが、2016年の日本アニメの豊作です 。 とにかく、「君の名は 。

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最終更新:1/14(日) 16:01
IGN JAPAN