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悪性脳腫瘍に免疫治療 大日本住友が新薬臨床

1/14(日) 7:55配信

産経新聞

 大日本住友製薬が脳腫瘍の中でも悪性度が高い膠芽腫(こうがしゅ)に対する新しい免疫治療薬の開発を進めていることが13日、分かった。日本と北米で臨床試験を実施しており、早ければ平成34(2022)年度の実用化を目指す。複数のアミノ酸が結合したペプチドという物質を利用したワクチンで、人が本来持つ免疫力を活性化させ、がんの増殖を抑える仕組み。副作用は少ないとみられ、実用化されれば世界でも革新的な免疫治療薬になる可能性があるという。

 現在、世界でもオプジーボなど免疫治療薬が注目されているが、それらは免疫を低下させる因子を阻害する働きであるのに対し、同じ免疫治療薬でもがんペプチドワクチンは人の免疫機能に直接働きかける。

 がん細胞の表面にあるペプチド(タンパク質の断片)を人工的に合成し、体内に投与することで、がんと闘う免疫細胞の活性化を促し、がん細胞の増殖を抑えようとする。

 大日本住友では、がん細胞を攻撃する「キラーT細胞」を誘導するペプチドに、免疫調節の司令塔役を果たす「ヘルパーT細胞」を誘導するペプチドを加えてより高い効果を見込む。

 膠芽腫は脳幹部にできる腫瘍で、進行が早く、手術が難しい。国内では2千人、米国で1万1千人の患者がいるとされる。

 また、同社では現在、このがんペプチドワクチンに関して、急性白血病を引き起こす「骨髄異形成症候群」や、治療の難しい「小児悪性神経膠腫」に対しても国内で臨床治験を進めており、将来的な売り上げについてピーク時で年500億円規模を期待している。

 越谷和雄常務執行役員は「幅広い年齢層の患者に貢献したい」と話している。

最終更新:1/14(日) 8:16
産経新聞