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テレビ埼玉のロケ番組で復活 千鳥に訪れた“二度目の正直”

1/14(日) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

コラム【2018 新春「笑」芸人解体新書】

「幸運の女神には前髪しかない」

 という言葉がある。チャンスは二度と来るものではないから、来たときには必死でつかみに行かなければいけない、という意味だ。芸人にもここぞという売れるためのタイミングがあり、そこでうまく波に乗れないと、あとあと苦労を強いられることになる。

 千鳥の2人、大悟(37=写真左)とノブ(38=同右)に最初のビッグウエーブが来たのは、今から6~7年前のことだ。「THE MANZAI」で決勝に進んで一気に注目され、若者に人気のコント番組「ピカルの定理」の新レギュラーにも抜擢された。大阪から東京に出てきて、順風満帆に出世街道を歩んでいるように見えた。

 ところが、彼らは千載一遇のこのチャンスを生かし切れなかった。ひな壇系のバラエティー番組に出ても結果を残せず、仕事は思うように増えなかった。「ピカルの定理」もゴールデン進出後に視聴率が低迷して打ち切りとなった。

 大阪で10本以上のレギュラー番組を持っていた千鳥は、それぞれがボケもツッコミも器用にこなせる本格派の芸人である。しかし、東京の番組では長い間、そのポテンシャルを生かし切れずにくすぶっていた。

 彼らが復活するきっかけになったのは、テレビ埼玉の「いろはに千鳥」というロケ番組だ。低予算のローカル番組で、スタッフに不満を漏らしたりしながらのびのびと振る舞う姿が抜群に面白かった。彼らは東京に出てきて初めてその持ち味を発揮したのだ。

 これが業界関係者の間でも評判になり、少しずつ千鳥の評価も高まっていった。また、本人たちも東京に慣れてきて、自分たちの良さを自然に出せるようになったことで、仕事も増えていった。

 現在ではメインMCの脇を固めるサブMCを任されることが多い。ビートたけし(70)、志村けん(67)、内村光良(53)など大御所である先輩芸人からの評価も高い。

 お笑いコンビは売れてくるとどちらか一方がピンで出るようになることも多いが、千鳥は今もコンビでの仕事が多い。それは、2人とも確固たる実力があり、2人で出ているときが一番面白いと認められているからだ。

 千鳥は幸運の女神の後ろ髪を無理やりわしづかみにして、見事に大躍進を果たしたのだ。

(ラリー遠田)