ここから本文です

「ひねり餅」って? 名酒生み出す兵庫・丹波杜氏が伝承

1/14(日) 15:00配信

神戸新聞NEXT

 ひねり餅。

 耳慣れない名前に、思わず首をひねる。

 優れた酒を生み出す丹波杜氏(とうじ)の古里・篠山市。午前7時半、蒸気がもうもうと立ち上る鳳鳴(ほうめい)酒造で、杜氏の中川博基さん(76)が蒸したての米を手に取った。

 木の板にこすりつけて丸めたかと思うと、両手に挟んで平らにする。その間、わずか数十秒。

 「これがひねり餅です」

 中川さんはそう話し、神棚に供えて、2度、かしわ手を打った。

 ひねり餅は、手の感触で米の蒸し具合を確かめるために作られる酒造りの風習だ。神棚に供えることで、酒造りの成功と蔵人(くらびと)の安全を祈る。

 「昔は、どこの蔵でもやっとったもんです。杜氏さんに渡すと、『固すぎる』『やり直せ』と怒鳴られることもありました。今はもう、やるところは減りましたなあ」。中川さんは感慨深げに話す。

 供え終わったひねり餅は、酒蔵にあるストーブで焼いて、おやつのように味わった。近年は機械化が進んだ影響か少なくなったが、「昔から続けてきた習わしやし、やれば良い酒ができます」と中川さん。山あいにある酒蔵で、伝統が受け継がれる。(上田勇紀)

最終更新:1/14(日) 15:29
神戸新聞NEXT