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<津島の田植踊>映像で残す 「復活の日を信じたい」 浪江

1/14(日) 11:14配信

毎日新聞

 東京電力福島第1原発事故に伴い避難指示が続く福島県浪江町津島地区に200年以上前から伝わる郷土芸能「津島の田植踊(たうえおどり)」を後世に残すため、住民たちが14日に一日限りで踊りを復活させ、映像をカメラに収める。古里で踊りを再開するめどが立たず、手ほどきする人がいなくなる前に記録を残しておこうと決めた。「復活の日が来ると信じたい」。未来の住民への贈り物にするため、避難先で稽古(けいこ)に励む。【尾崎修二】

「ソーリャ」「セイッ」。事故後に二本松市に建てられた町仮役場の会議室。県内各地に避難している町民約20人が集まり、笛や太鼓を鳴らし、掛け声にあわせて踊った。

 県重要無形民俗文化財で、津島地区の四つの集落で毎年1月に披露されてきた。鉢巻き姿の踊り手らが数日かけて家々を回り、田植えや稲刈りの様子を演じながら輪になって踊り、豊作や一家の幸せを祈念した。

 津島地区は空間放射線量の比較的高い「帰還困難区域」に指定され、全域で避難指示が解除されるめどは立っていない。避難先に定住する人は増えており伝統を知る人の高齢化も進む。踊りの存続を危ぶんだNPO「民俗芸能を継承するふくしまの会」が南津島集落の郷土芸術保存会に映像の記録を打診したところ、住民有志が昨秋に集まって実現した。

 大玉村に避難している高校教諭、今野充宏さん(52)は娘と息子の4人と一緒に参加。26年前に津島にある妻の実家に移り住んだとき、義祖父らの勧めで田植え踊りに加わり、地域に溶け込むことができた。「じいさまたちが残した伝統を守りたい。子どもにも伝えたい」と意気込む。

 保存会会長の三瓶専次郎さん(69)は持病を押して稽古に臨んでいる。避難先で亡くなったメンバーもおり「田植え踊りや神楽は誇りだった。自分の代で伝統を絶やすわけにはいかないとずっと悩んでいた。参加してくれる仲間には感謝の気持ちでいっぱい」と話す。

 田植踊の披露兼記録会は14日午前11時から二本松市の県男女共生センターである。予約不要で、入場無料。

最終更新:1/14(日) 11:14
毎日新聞