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通行料を払うだけではない「ETC2.0」 パナソニックがITSの先駆例を実用化

1/14(日) 8:30配信

日刊工業新聞電子版

 パナソニックは、官民が開発を進める高度道路交通システム(ITS)の仕組みを使い、車両走行などのビッグデータを加工し、物流事業者などに提供するサービスを2018年度に始める。最新の料金自動収受システム「ETC2・0」の車載器からデータを取得し、ドライバーの業務日報作成、運転状況の分析、危険発生場所の特定などに生かす。同社は自動車分野を成長の柱と位置付けており、ITSの先駆的な例として実用化する。

 パナソニックが今回のサービスに使うETC2・0は、ITSを構成するシステムの一つ。高速道路に設置した「ITSスポット(路側無線装置)」と呼ばれる通信装置などを使い、走行中の車と通信する。新たなサービスは、協力して実証実験を重ねてきた大手物流会社が、最初の提供先となる見通し。物流会社などは、料金収受のために搭載したETC2・0車載器を車両運行管理に利用できるメリットがある。

 ETC2・0車載器は個別の識別符号(ID)を持ち、搭載車両の走行履歴などを記録できる。パナソニックも同車載器を製造している。国土交通省などは高速道路と一般国道に計約3600カ所設置したITSスポットや「経路情報収集装置」を介し、同車載器と通信して膨大な車両交通情報を集めている。

 パナソニックは顧客や国交省などの許可を得た上で、このビッグデータから任意のデータを抽出・加工して提供する。顧客以外のデータは参照できないようにして運用する見通しだ。

 同車載器は走行履歴のほかに急加速・ブレーキなどの情報も記録する。これらの情報を加工し、ドライバーが手書きすることが多い業務日報の作成や運転傾向の分析に基づく安全運転指導など、業務用車両の管理に活用する。危険が発生しやすい場所を特定したり、交通量を分析して道路会社の管理業務に利用したりすることもできる。

 ITSは人と車、道路インフラが相互に情報を受け渡す。事故や道路の渋滞、省エネルギー、環境などの対策に生かすための社会システムとして、官民が連携し開発を進めている。