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「2階建てバス」はどこへ行く? 老朽化進むも国産モデルなし 代替迫られるバス会社

1/14(日) 11:10配信

乗りものニュース

規制緩和で採用が増えた「エアロキング」

 高速バスや定期観光バスを中心に、2階建てのバスが走っていることがあります。その多くでは、「エアロキング」という名の車両が使われています。

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 2階建てバス「エアロキング」は、三菱自動車工業(現:三菱ふそうトラック・バス)が1983(昭和58)年の東京モーターショーで発表し、1985(昭和60)年に発売を開始しました。当時は空前の「2階建バスブーム」で、日野自動車や日産ディーゼル(現:UDトラックス)といったライバルメーカーも相次いで2階建てバスを発表していました。車内からの眺望のよさなどから観光バスとしての需要が高かったのですが、法律の関係で2階部分の室内高を高くすることができず、居住性の問題から、やがて観光バスとしての需要は少なくなくなります。

 その後、1990年代に入り、2階建てバスのワンマン運行が基準緩和によって可能になったことから、乗客を多く運べるメリットが生かせる夜行高速バスへの採用例が、JR系バス会社を中心に増えていきます。特に、運行路線が多いジェイアールバス関東や西日本ジェイアールバスでは、「エアロキング」を大量に導入。その一部は現在でも各路線で活躍しています。そのため、2008年に発表された最終モデルでは、あらかじめ長距離路線の運行に特化されたパッケージングとなっていました。

「ポスト新長期排ガス規制」が影響して製造中止に

「エアロキング」は2005(平成17)年から3年間の製造中止を挟みつつも、じつに25年ものあいだ販売されました。10年から15年でフルモデルチェンジする国産バスにおいては、ロングセラー商品といえます。しかしながら、三菱ふそうトラック・バスは、2010(平成22)年6月に「エアロキング」の製造および販売中止を発表します。

 その理由は、「平成21年(ポスト新長期)排ガス規制」。同年9月に実施されたこの排ガス規制への対応は、コスト面から困難であるとメーカー側が判断したからです。

「エアロキング」の製造、販売中止は、乗客を多く運べるメリットに目をつけて導入したバス事業者にとっては、代替車両の検討に頭を悩ませることになりました。

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