ここから本文です

なぜ売れた?「漫画 君たちはどう生きるか」作者が明かす秘話

1/14(日) 11:30配信

TOKYO FM+

鈴木おさむがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「よんぱち 48 hours ~WEEKEND MEISTER~」。1月12日(金)の生放送では、漫画家の羽賀翔一さんが登場。吉野源三郎さんによる小説「君たちはどう生きるか」の漫画化を担当したことでも話題の羽賀さん。この日は「漫画 君たちはどう生きるか」完成までの苦労話から、大ヒットした理由の分析までトークが展開されました。

鈴木:「君たちはどう生きるか」をなぜ漫画にすることになったのでしょうか?

羽賀:もともとはマガジンハウスの編集の方が企画を思いつかれて、講談社の原田さんという方に相談したとき「羽賀にやらせたら面白いんじゃないか」と推薦してくれて。

鈴木:へぇ~。

羽賀:僕、恥ずかしながら原作は知らなかったんです。

鈴木:読んでみてどう思いました?

羽賀:説教くさいのかな、って先入観はあったんですけど、読み始めると人物がしっかりと描かれていて、いまっぽい感じもしました。

鈴木:漫画化にあたって気をつけた部分は?

羽賀:漫画にすることで説教くささが出ちゃうところが……そうなると台なしなので。主人公の「コペル君」だけじゃなく、メンター(助言者)としての「おじさん」も並走しながら変化していく部分は、原作と変えて描いていこうと意識しました。

鈴木:いじめを見て見ぬ振りする部分とか、いまの時代と合っていますよね。こんなに多くのリアクションがあると思いました?

羽賀:僕は思っていなかったし、マガジンハウスの人たちもここまで出版後に急速に広まったのは予想していなかったかと。

鈴木:初版はどれくらいですか?

羽賀:1万5千部です。

鈴木:すごい! そこから50万部以上に。どこで火がついたんですか?

羽賀:まず糸井重里さんが感想をあげてくれて。その後に「世界一受けたい授業」というテレビ番組で取り上げていただいたり。あとは宮崎駿監督がこのタイトルを使った新作を作るというニュースも後押しになったと思います。

鈴木:原作からオリジナリティーを加えた部分は?

羽賀:「おじさん」が本を作るシーンも新しく加えた部分です。あとは「コペル君」が歩く場面に、漫画では「おじさん」も一緒に歩くなど、ふたりがともに変化していく、成長していくところは漫画で加えています。

鈴木:どんな感想が届いていますか?

羽賀:原作を知っていた方が「読み返すきっかけになった」とか、70代の方が「人生で初めて漫画を読みました」と言ってくれたり。

鈴木:逆に若い世代はどう読むんですかね?

羽賀:親からプレゼントされて、みたいな人は多いみたいです。

鈴木:制作はどれくらいかかったんですか?

羽賀:話をいただいてから2年くらいです。

鈴木:ええっ!?

羽賀:本当は1年で、と言われていたんですけど、遅れに遅れて……。

鈴木:どこに一番時間がかかったんですか?

羽賀:1話目です。僕も最初は原作つきでやるって抵抗感があったんです。もっと我を出したい、とか。アレンジしてやろう、って。書き下ろしだったので、描き進んでからまた1話に戻って直すとか。そういう感じで時間をかけてしまったところはあります。

鈴木:うん。

羽賀:でも結果的に「コペル君」と「おじさん」の関係がいいバランスになったと思います。

鈴木:ネームに入ってからの作業でいうとどれくらいかかったんですか?

羽賀:1年以上かかっています。

鈴木:めっちゃかかっているんですね。

羽賀:本当はそんなにかかっちゃいけないんですけど(笑)。原作を台なしにしちゃいけない、というのもありますし、ストーリーが決まっているにせよ、キャラクターをしっかり描かないことには漫画として面白いものにならない。面白くないなら漫画として出す意味はない本なので。そこは粘らせてもらったというか。迷惑をかけたんですけど(笑)。

鈴木:つらくなかったですか?

羽賀:つらかったです。しかも生き方を問う本なので。変なサイクルに入っちゃって。

鈴木:だから売れたんですよ、やっぱり。2ヵ月とか半年じゃなくて2年かけて自問自答してきたことがキャラクターの言葉になってきているんでしょうね。どうですか、次作は?

羽賀:オリジナルのものを描きたいという気持ちは強くあります。

鈴木:羽賀さんの他の活動については公式Twitterがありますので、ぜひそちらをチェックしてみてください。フォローして感想なんかをね。

羽賀:ぜひぜひ。

鈴木:感想ってね、“作者に届いてないんじゃないの?”と思うでしょうけど、すごく見ていますよね?

羽賀:エゴサーチもしてます(笑)。

(TOKYO FMの番組「よんぱち」2018年1月12日放送より)

最終更新:1/14(日) 11:30
TOKYO FM+