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捜査権から情報権まで…巨大化する“恐竜警察”に懸念=韓国

1/14(日) 7:55配信

ハンギョレ新聞

国情院から対共捜査権を引き継ぎ 検警捜査権調整も予想されるが 既存の情報組織が現状どおり維持されれば セウォル号遺族査察・集会に参加した教師把握のように 国民監視・標的捜査などの弊害も憂慮  「無差別な収集防ぐ指針にとどまらず 警察情報局の大々的手術を」の声

 国家情報院から対共捜査権を引き継ぐなど、今後、検警捜査権調整を経て各種の捜査権限を拡大すると予想される警察が、無差別に情報を収集していた従来の情報組織を現状どおり維持する場合、過度に国民の日常を査察し標的捜査を行うなどの弊害が増大しかねないという懸念が出ている。警察改革委員会は先月5日、警察情報課の改善に向けた小委員会を新たに設置し議論に取り組んだ。

 警察庁がまとめた「情報警察改革案」などに対するハンギョレの取材内容を総合すると、第一線の警察署情報課などは捜査関連犯罪情報以外にも「政策情報」と「状況情報」という名前をつけ、社会各界の情報を収集してきたことが12日、確認された。警察庁の関係者は「政策情報は予防的治安情報として政府政策に対する国民世論を調べるものであり、状況情報は集会・デモなどによる危険状況に備えて安全を維持するための情報」と明らかにした。

 警察は警察法3条が規定した国家警察の任務として「治安情報の収集」と1991年に制定された大統領令「警察庁とその所属機関職制14条」が規定した情報局の業務「政治・経済・労働・社会・学習所・宗教などの諸分野に関する治安情報の収集」規定を活動根拠として掲げている。しかし、警察が治安維持を目的として、犯罪情報ではない国民の活動など世論全般について調べるのは、法的根拠が足りないという指摘が出ている。警察改革委員会委員のソ・ボハク慶煕大学法学専門大学院教授は「警察法の当該条項は警察の任務を列挙しただけで、法執行のためには権限を与える授権規定が別に必要だ。情報局の役割を説明した大統領令も、国会の承認を受けた法令に再整備する必要がある」と説明した。

 粗い法の網目をくぐって、第一線の情報課では情報収集業務を乱用する事例が少なくない。警察署情報課で働いているある警察官は、ハンギョレとのインタビューで「警察署長が接している地域の主要人物の最近の動向などを報告したことがある。署長はそうした報告をしないとすぐにいらだつし、人事権者の指示に逆らうことは難しい」と話した。また、別の情報課所属の警察官は「最近大学に電話をかけて、教育部のある政策に対する世論を訊いた。なぜそれを警察が把握するのかと質問されたが、なんとも説明する方法がなく遠まわしに避けた」と話した。

 2014年5月、集会中だったセウォル号遺族につきまとい尾行論議を招いた安山署情報課の事例や、2008年6月、情報課の刑事が小学校の校長を訪ね、米国産牛肉輸入反対ろうそく集会に参加した教師を把握した事件などはよく知られた警察の情報収集問題事例の一つだ。

 警察は管理と統制をうまく行い情報収集の乱用を防ぐという態度だ。ソン・ミンホン警察庁情報局情報審議官は「一部の情報課で情報をむやみに収集しているという指摘があり、これからは収集可能な情報リストを作って厳しく管理し、これを守らなければ懲戒を強化する」と明らかにした。しかし、情報資料は閲覧後破棄するのが原則である上、どんな情報が収集されて上部に報告されたか、外部では確認することができず、情報収集の乱用統制措置の実効性は依然として疑問だ。

 このため、無差別な情報収集を阻止する指針づくりの水準に止まるのではなく、警察情報局の大々的手術が必要だという指摘が出ている。チェ・カンウク(弁護士)警察改革委員会委員は「従来の警察情報局を廃止し、犯罪情報収集を中心とした情報組織に改編しなければならない」と話した。ソ・ボハク委員は「既存の情報課の情報機能を事案によって保安局、捜査局、警備局に分散しなければ、警察が国民を常時監視し標的捜査に連結させる『スーパー・パノプティコン(巨大な監獄)社会』が作られかねない」と懸念を示した。昨年11月基準で、警察庁は全国で3487人の情報警察官を運用している。

ホ・ジェヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:1/14(日) 7:55
ハンギョレ新聞