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金博洋「今が最強」4回転多種類時代作った“天天”

1/14(日) 8:10配信

日刊スポーツ

<他国のライバルたち(7)>

 平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)開幕が1カ月後に迫ってきた。日本勢は06年トリノ五輪金メダル荒川静香以来4大会連続のメダルに向けて出陣する。今シリーズは「他国のライバルたち」と題して、男女シングルの注目選手を紹介する。第7回は金博洋(中国)。

【写真】エキシビションで華麗な舞いを披露する羽生

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 そのジャンプの高さから、母国中国では親しみを込め「天天」と呼ばれる。17年4月、ヘルシンキでの世界選手権で2季ぶりに優勝した羽生結弦は、記者会見の席で隣に座る3位の金をこうたたえた。「彼が(4回転)ルッツをクリーンに跳んだことで、みんなが“ルッツ跳んでいいんだ”“ルッツで人間跳べるんだ”ってなった。目指すべきところは僕の330点(合計の歴代最高点)だったりしたかもしれないけど、この4回転多種類時代を作ったのは、彼だと思います」。

 4回転ジャンプ6種類中2番目に難しいとされるルッツは金にとって成功率9割の「特別なことではない」ジャンプ。しかも、15年11月の中国杯では国際大会で初めて4回転ルッツ-3回転トーループの連続技を成功。1つの要素で20点近く得点を取れることを証明した。さらに16年2月の4大陸選手権では史上初めてフリープログラムで4回転4本をそろえた。羽生の言う通り、そんな金の存在が、多くの男子選手のチャレンジ精神に火を付け、4回転の進化に拍車を掛けた。

 金自身も「今が最強のジャンパーたちの時代。僕ももっともっと4回転に挑戦したいし、それはすごく楽しいこと」と、この時代に競技できる喜びを感じている。だが、4回転は跳べば跳ぶほどケガのリスクをはらむ。「普段の練習からケガをしないよう気をつけている」と話していたが、それでも昨年11月に足を痛め、12月のGPファイナルを欠場。2月の平昌五輪に向けて、1月24日開幕の4大陸選手権で最終調整する構えだ。

 今季のSPは、中国がテーマで、アクロバティックな動きが印象的。フリーでは「スター・ウォーズ」の曲とクラシック曲「火星」を組み合わせ、多彩な音楽を滑り分けながら、4回転を4本組み込んでいる。母国で行われる22年北京五輪での金メダルを目標に掲げるが、初出場の平昌でもメダルに届く可能性は十分ある。【高場泉穂】

 ◆金博洋 1997年10月3日、中国・ハルビン市生まれ。7歳で競技を始める。15年世界ジュニア選手権2位。16、17年世界選手権で銅メダル。16年4大陸選手権2位。自己ベストはSP98・64点、フリー204・92点、合計303・58点。趣味は音楽鑑賞。170センチ。

最終更新:1/14(日) 8:25
日刊スポーツ