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防災意識の「種」を蒔く映画を。『あの街に桜が咲けば』製作陣の新プロジェクト/岩手

1/14(日) 14:52配信

Webマガジン コロカル

コロカルニュースvol.2296

岩手県陸前高田市を舞台にした映画『あの街に桜が咲けば』の製作スタッフが新しい映画をつくるため、クラウドファンディングに挑戦しています。

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『あの街に桜が咲けば』で焦点をあてたのは、津波到達地点に桜を植樹し、後世に津波の被害を伝えていくことを目指す〈認定NPO法人 桜ライン311〉の活動。桜ライン311のメンバーや戸羽太陸前高田市長をはじめとする方々へのインタビューを通して、震災を経験した人たちの強く生きる姿を伝えています。インディーズドキュメンタリー映画としては異例の全47都道府県上映を達成しました。

新たに計画中の映画では桜ライン311のその後を追いながら、東京、熊本などへも取材を重ね、ひとりでも多くの人に防災意識の大切さを伝える映画をつくりたいと考えているそう。

監督は〈やろうよ!こどもぼうさい〉代表・防災士の山崎光さんと『あの街に桜が咲けば』監督の小川光一さん。

おふたりが目指しているのは、恐怖心をあおらず、自然と「大切な人を守るために、防災と向き合わなきゃ」と思えるような映画。もともと「防災アレルギー」だったという山崎さんは、映画『あの街に桜が咲けば』と出会って、そこから伝わってくる温かいメッセージに感動し、「自分も防災映画を作りたい」と思い始めたといいます。

「地震を引き起こす原因となる活断層は、日本各地の下に約2000以上あるといわれています。台風だって来るし、火山だってあります。災害大国と呼ばれる日本に住む以上、“自分もいつか大災害に遭遇するかもしれない”と自覚する必要があります。しかし、だからといって災害に怯える必要はないんです。大切な人を失ってから後悔しないように、大切な人のために防災をする。防災の動機は、恐怖でなく、もっと温かいものであるべきだと思います」(山崎さん)

新しい映画の企画は、そんな山崎さんが小川さんに「一緒に映画をつくりましょう!」と声をかけられたことからスタートしたのだとか。

『あの街に桜が咲けば』監督の小川さんは、2011年3月から約7年間陸前高田に通い続けて映画をつくり、全国各地で上映と講演を重ねてきました。小川さんは、同映画の公式サイトにこんなメッセージを寄せています。

「震災のドキュメンタリーと聞いて身構える人も多いかもしれません。ただ、僕はもっと根本的な“大切な人を守る力をあなたは持っているのか”という問いを優しく詰め込んだ、そのような映像を作ったつもりです。大切な家族や恋人、友人と一緒に各会場に足を運んで頂けると幸いです。僕も求められる限り全会場に駆け付け、お話させていただきます。1人でも多くの方が、この映画を見て、減災・防災に関心を強めてくれたら、そう心から願います。そして、いざ何処かの街で災害が起きた時、大切な命を守れる方が、1人でも増えますように。本当にそれだけです」(小川さん)

でも小川さんは、47都道府県をまわり終えても達成感は感じられなかったといいます。

「その理由はわかっていました。日本全国で防災の大切さを主張している最中、以前に上映会を開催した街が甚大な災害に遭うという体験を何度も味わったのです。“うちの県は災害が少ないからね”と来場者に謎の安全アピールをされることも多いんですが、後日まさにその場所で災害が起きた時には、本当に心が折れました。“防災なんて伝えたところで意味がないのかも”と悩み倒しました」(小川さん)

度重なる災害のニュースに何度も挫折感を味わった小川さんでしたが、うれしい反響もありました。熊本で大きな災害が起きた後には、「映画を観たおかげで、あわてずに避難できたよ」などなど、多くの方から感謝の連絡があったといいます。

「陸前高田の思いを確かに受け取った僕がいたように、僕の思いを確かに受け取ってくれていた人もいたのです。きっと今回の新しい挑戦にも、意味がないと感じる瞬間、意味があると感じる瞬間、どちらも訪れるはずです。けれど、どっちにしたって僕ができることは“伝え続けることをやめない”、ただそれに尽きると思っています。誰かの心の深いところまで届く防災ドキュメンタリー映画をつくりたい。前作以上にもっと伝えたい。そんな気持ちでいっぱいです。どうぞ応援よろしくお願いします!」(小川さん)

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