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茨城県自然博物館 入館者増、人気が再燃

1/15(月) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

茨城県自然博物館(坂東市大崎)の入館者数が近年、伸び続けている。東日本大震災で一時落ち込んだが、企画展を年数回開くなど飽きさせない工夫が功を奏し、人気が再燃。入館者数はV字回復を果たし、本年度は約20年ぶりに年間50万人に迫る勢いだ。

同館は1994年11月にオープン。多くの野鳥が飛来する菅生沼に隣接し、本館のほか、自然観察や体験活動に適した野外施設も充実している。

入館者数は95年度に約68万人、96年度約50万人、97年度約49万人を記録。その後も当初予測の年間25万人を大きく上回る年間40万人超で推移し、国内有数の自然史系博物館に成長した。

2011年の東日本大震災の影響などで一時37万人台に落ち込んだが、翌年度から増加に転じ、16年度は近年では最も多い約44万6千人を記録。本年度も11日時点で既に約43万人を数え、1996年度以来の年間50万人に届く勢いだ。

昨年5月には累計入館者1千万人を突破。年が明けた今月2、3日は両日とも約3千人が詰め掛け、同館は「スタッフ総出で対応するほど新年から大盛況」とうれしい悲鳴を上げる。

県のまとめによると、全国の主な自然史系博物館の2015年度の入館者数は、同館が約45万人と、福井県立恐竜博物館(約93万人)に次いで2位。神奈川県立生命の星・地球博物館(約30万人)、群馬県立自然史博物館(約19万人)など近隣施設と比べて大幅に上回る。

■野外施設も魅力

本館では動く恐竜ロボットや巨大な骨格標本など目を引く展示物が並ぶほか、身近な動植物、自然や生命の仕組みが映像や写真、模型などを通して学べる。物づくりなど体験イベントも毎週のように開かれ、「来館者を飽きさせない工夫」(同館)が満載。子どもだけでなく、大人向けの講座も人気を呼んでいる。

特に人気を支えるのが、年3~4回ほどテーマを変えて開かれる企画展だ。第1回のサーベルタイガーから宇宙、化石、洞窟など内容も多彩で、開館から二十数年で計70テーマに上る。来場者からも「興味深い企画が多い」「親子で楽しめる」「次が待ち遠しい」と好評だ。同館は「毎回、大きな反響を呼んでいる。誘客を支える目玉の一つ」とする。

東京ドームの約3・5倍に当たる15・8ヘクタールの広大な野外施設も魅力で、幼稚園や小学校などの遠足や環境学習の場としての利用が増えており、家族連れを中心に「来館者のリピーター率も高い」(同館)という。

横山一己館長は「屋外にも施設があり、一日中楽しめる。本館の展示や自然との触れ合いを通して、人と自然との関わりや共生の大切さを学ぶことができる」と同館の特徴を語る。

■県外が6割超

一方、同館は東京に近い立地で、高速道路網の整備もあり、来館者の居住地は、都内や千葉、神奈川、埼玉など関東近郊を中心とした県外が6割以上を占めるという。

県内からの来館者が伸び悩むことから、同館は「県民に目を向けた新たな仕掛けも必要」とし、近隣自治体と連携した観光ルートの検討など、県民向けのPRにも力を入れる考え。(朝倉洋)

■年度 入館者数(人)
2007  417,339
2008  401,140
2009  400,751
2010  381,878
2011  378,665
2012  389,636
2013  419,255
2014  429,786
2015  445,269
2016  446,101

茨城新聞社