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「怖さ感じなくなるまで徹底的に跳ぶ」陸自空挺団ガチ訓練の神髄、中年記者が体感 政治は大義を示せるか

1/17(水) 7:02配信

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 陸上自衛隊第1空挺団。日本唯一のパラシュート部隊で、陸自の精鋭が集まります。パンフレットには、遥か上空で航空機から跳び出す姿や、割れた腹筋をさらして走る男たち……。戦場で「跳ぶ」とはどういうことなのか。訓練を取材し、記者もほんの少し体験しました。(朝日新聞政治部専門記者・藤田直央)

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高さ11mの「跳出塔訓練」

 訓練の場所は千葉県の陸自習志野演習場。明治時代から旧陸軍が演習をしていた一帯で、隣に第1空挺団のある習志野駐屯地があります。第1空挺団主催の年始恒例「降下訓練始め」にあわせ、報道各社に体験の機会が設けられました。

 快晴のパラシュート日和となった1月12日午前8時、記者たちが訓練用の迷彩服にブーツ、ヘルメット姿で習志野駐屯地に集まりました。目の前に高さ11メートルの塔がそびえ、そこから跳び出す跳出塔(とびだしとう)訓練に挑みます。空挺隊員になるための初歩です。

 パラシュートはつけませんが、もちろんそのまま地上へは落ちません。空挺隊員と同様に、ベルトと金具で腰から上を固める装身具をつけます。そして航空機の機体を模した塔頂上へ登り、装身具を3メートルほどのロープにつなげます。ロープのもう一端は、塔付近から斜め下へ伸びるワイヤーに滑車でつながっています。

 つまり、塔から跳び出した体は一瞬落ちますが、ロープが伸びきるとワイヤーにぶら下がり、そのまま滑車で斜めに降りていきます。装身具をまとうのは、ロープが伸びきった時に自分が落ちる重力を体全体で受け止めるためです。

 その衝撃に耐えるには姿勢も大事です。跳び出してからパラシュートが開くまでにあたる約4秒間、首がぐらつかないようあごを引いて胸につけます。脇を締めて両拳を胸の前で交差させ、直立の姿勢を保ちます。

 空挺隊員が低空で降下する場合も、跳び出した瞬間は航空機とロープでつながっており、伸びきると外れてパラシュートが開きます。ただ低空といっても、この後の実際の訓練で隊員らは重さ24キロのパラシュートを身につけ、時速240キロで飛ぶ航空機から高さ340メートルで飛びます。衝撃は跳出塔訓練と段違いです。

 「東京タワーの高さを走る新幹線から跳び降りる感じです」。陸自空挺教育隊の学生隊長で、記者たちを指導する田中保和3佐はそう話しつつ、跳出塔訓練の意義を強調します。「11mは人間が恐怖を感じ始める高さと言われます。跳び出して変な姿勢にならないよう胆力を養い、パブロフの犬になるまで徹底的に反復します」

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最終更新:1/17(水) 9:18
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