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防災ヘリの山岳遭難救助が有料に 埼玉県で全国初、5分5000円 登山者は賛否両論

1/16(火) 16:22配信

乗りものニュース

「登山にも救助にも危険が伴う場所」で有料に

 埼玉県は2018年1月1日より、県内の一部山岳において県の防災ヘリコプターによる救助を受けた場合に、手数料を徴収するようになりました。県条例の改正を受けてのものです。

【地図】埼玉県で「防災ヘリ有料」となるエリア

 手数料額は、防災ヘリが救助のために飛行した時間5分につき5000円です。県ウェブサイトでは「過去の平均救助時間は1時間程度」とされており、その場合は6万円になります。対象となるのは、県西部の小鹿野二子山、両神山、甲武信ヶ岳、日和田山、笠取山、雲取山周辺で、たとえば「山頂から水平距離1km」など、特定の範囲内における救助について徴収されます(一部除外、減免規定あり)。

 防災ヘリの一部有料化は、全国でも初めてだといいます。条例改正の背景について、埼玉県消防防災課に聞きました。

――防災ヘリによる山岳救助の有料化は、どのような経緯で決まったのでしょうか?

 2017年2月の県議会において、議員提案によって提出された「埼玉県防災航空隊の緊急運航業務に関する条例」の改正案が可決されたものです。この条例は2010(平成22)年、防災ヘリが救助活動中に墜落し、5人が死亡したことを受けて制定されたものですが、制定当時から附則として、山岳遭難における緊急運航の有料化について検討する旨が書かれていました。

――有料化にはどのような目的があるのでしょうか?

 危険が内在する山について「自己責任」を問い、防災ヘリの受益者負担をお願いするものです。手数料は、実績値から算出された燃料費相当分です。エリアについては、2010(平成22)年の墜落現場となった笠取山(秩父市)を含め、過去の実績から「登山にも救助にも危険が伴う場所」を指定しています。たとえば、小学生がハイキングに行くような場所は対象としていません。

※ ※ ※

 この条例改正について紹介している2017年5月13日発行の「埼玉県議会だより」には、「無謀な登山の減少にもつながるよう、本条例の改正案が議員提出され、可決されました」とあります。
 
 県消防防災課によると、「これまでに遭難した人が『無謀な登山』ばかりかといったらそうではありませんが、東京から近いうえ(比較的低高度の)親しみやすい山が多く、『気軽さ』という点は当てはまるかもしれません。埼玉の山を安全に楽しんでいただき、無事に帰っていただきたいという思いから、パンフレットやポスターを通じて安全を啓発するとともに、今回の有料化についても周知しています」と話します。有料化を聞いた登山者からは「登山届をちゃんと出したほうがいいな」「より装備をちゃんとしなくては」といった声があったそうです。

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