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「体重オーバーで試合中止」を阻止せよ! 各団体で進む抑制策の実態とは

1/17(水) 11:30配信

VICTORY

ギャビVS神取、20キロ差なら成立したのか?

2017年末のRIZINで起こった、ギャビ・ガルシアの体重オーバー。神取忍との試合は中止となり、各方面に大きな波紋を呼んだ。実際、こうしたケースはRIZINだけでなく様々な格闘技興行でたびたび発生している。各団体は、体重オーバーを抑制するためにどんな対策を取っているのか?(文:高崎計三)

 昨年末、格闘技イベント「RIZIN」でブラジル人女子格闘家のギャビ・ガルシアが95kg契約のところ107.7kgを記録。12kgもの体重オーバーが発生し、予定されていた女子プロレスラー神取忍との試合が中止になったという事態が発生した。この一件について、ネットニュース等で見かけられた方も多いのではないかと思う。

 この一件は実に多くの問題を孕んでいる。まずRIZINには、計量オーバーが発生した際にどういう措置が取られるかという規定が存在しないという点。他団体では「再計量時点でも●kg未満のオーバーならペナルティ(減点、違反側が重いグローブを着けるグローブハンデなど)付きで試合成立。●kg以上は試合中止」などと決められており、計量当日(つまり試合前日)のうちに試合への対応が決定する。RIZINでは過去にも計量オーバーが発生しているが、その都度「協議」が行われている。「こうなったらこう」というシステマチックなルールが存在しないのだ。
 
 次の問題は、仮にギャビがリミット内でパスできていたとしても、73.75kgの神取とは20kg以上の体重差があったという点。榊原氏はギャビのオーバーに「競技として成立しない」と発言したが、20kgなら競技として成立したのかと考えると疑問を抱かざるを得ない。これほどの体重差は、ボクシングなどの階級制スポーツではあり得ないこと。それは階級が体重の「上限」と「下限」を規定することによって保証されるわけだが、RIZINでは階級制を敷いていない。榊原氏は2015年の立ち上げ時に「階級区分は設定しない」旨を明言し、ボクシングやUFC、国内他団体のように階級区分を細かく設定してはいない。これは「よりダイナミックな戦いをスムーズに実現させるため」という狙いがあるようだが、世界的なMMAの流れに反しているのもまた事実だ。
 
 本来ならこのギャビVS神取の一戦も、上限も下限もない「無差別級」で行われるべきカードなのだろうが、今回は95kgという契約体重が発表されていた(同カードは一昨年にも決定していながら神取の負傷でやはり実現しなかったのだが、その際は「無差別級」とアナウンスされていた)以上、やはり12.7kgオーバーというのは(誰にどんな事情があったにせよ)あり得ない数字と言わざるを得ない。
 
 また、この原稿執筆のまさに真っ最中、1月14日にはアメリカ・セントルイスで同日(現地時間)に行われるUFCの大会「UFN124」のメインイベントが中止というニュースが飛び込んできた。日本でも活躍したビクトー・ベウフォートと対戦予定だったユライア・ホールが減量中に意識を失い、病院に搬送。意識は回復したが計量には参加できず、試合中止が決定されたのだ。これは開催の可否がすぐに決定した例だが、それでも大会の視聴者数など興行に与える影響は計り知れない。

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最終更新:1/18(木) 9:37
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