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【SING LIKE TALKING インタビュー】新作はこの4年半の軌跡を凝縮した仕上がり

1/17(水) 10:02配信

OKMusic

前作から4年半のインターバルで届いたニューアルバム『Heart Of Gold』は、この間にリリースされた4枚のシングルからの曲に書き下ろしを加えた構成で、30周年に向かう彼らの音楽的足取りを辿ることができる注目作だ。

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──今回はこれまでとちょっと違う作り方だったそうですね。

佐藤:これまでの一番多いパターンは、まずアルバム作りに入って、その中からシングルをどれにするか?という流れだったんですが、今回は先にシングルを続けて出して、それを中心にアルバムをまとめるというやり方で、それはある意味では非常に現代的なスタイルだと思うんです。一曲一曲その時々に集中して作った楽曲が中心ですから、前作からの4年半の間の軌跡とそこに流れているトーンがよく表れているアルバムになったと思いますね。

西村:今回は、この4年半の中で作ってきたので、サウンドがいろいろだなぁっていう。これだけ長きにわたると使ってる楽器も違ってたりしますから。そういう意味で、サウンドのバリエーションが豊かだなということは感じます。

藤田:僕もそういう感覚はすごくありますね。今回はシングルというかたちでその都度出していった結果として曲が集まったところに、今の気分をプラスαしてまとめたアルバムなので、ちょっと端的な言い方になりますが、感覚としてはコンピレーション的な作品に近いかなという気がします。

──“今の気分をプラスα”ということについては、どんなことを意識されたんですか?

佐藤:シングルとして出した曲たちとはちょっと異質な空気を持った曲がいいなと思って「Sweet Cat Home」という曲を書き下ろして、さらに広がりが出るといいなと思って千章に“3曲、書いてくれ”とオーダーしました。

藤田:竹善が自分で作る場合は自分のヴォーカルに合わせて、声がよく鳴るポイント、あるいはもちろん自分が表現したいポイントを意識して作るだろうから、僕が作るとそういう楽曲とは当然違ってきますよね。それがアルバムに広がりを与えるんじゃないかな、というくらいのことは思っていました。でも、例えば“ファンクを書こう!”とかそういうつもりはなくて、本当に“なんとなく”ですよ。

佐藤:年々、“なんとなく”の度合いが強くなってますね(笑)。

──(笑)。「Sweet Cat Home」は“なんとなく”ではなくて、“猫の歌”というピンポイントの指定があったんですよね?

藤田:そうなんですけど、1度書いたものを見せたら、“猫がもっと人に重なるくらいのイメージで”と言われて全部書き直したんですよ! 竹善も“猫の歌”と言ってたから“猫ニュアンス”をかなり強く出したいのかなと思ってたんですけど…。だから、出来上がりは“猫の歌”と言いながら、そんなに“猫の歌”でもないんです(笑)。

──西村さんは今回の制作を振り返って、何か印象に残っている曲や場面はありますか?

西村:「Closer ~寒空のaurora~」で久しぶりにナイロン弦を弾いて、指が痛かったなぁって(笑)。

佐藤:弦が太いから?

西村:太いし、弦高が高いから。特に張りの強い弦を使ったんで、痛かったですねぇ。かと言って、ゆるい弦を使うと音がブヨブヨになっちゃいますからね。

──逆に千章さんがナイロン弦を指定された、その狙いは?

佐藤:“なんとなく”じゃないですか?(笑)

藤田:“なんとなく”です(笑)。というか、基本はハーモニカとウーリッツァーでやろうということは決めてたんで、となると通常のアコースティックギターのスティール弦だとアタックが強く出すぎるかなと思って、それで“ナイロン弦で”とお願いしたら、最初はすごくカッコ良く弾いてきてくれたんですよ。

西村:僕が勘違いしてカッティングでやっちゃったんです。でも、全部録り終わったあとで“これ、カッティングじゃないかも…”と思って、千章に確認してみたら“ストロークで”という話だったんで全部録り直しました(笑)。

藤田:(笑)。でも、ちょっと悔しかったみたいで“こういうのも録ったんだけど、どう?”って送ってきたから、それも一応オケにはめてみたんですけど、カッコ良すぎるなぁっていう。それはそれで全然悪くないんですよ。成立してるんですけど、僕はもうちょっと気楽な感じを想定していたんで、緩いほうを使わせていただきました(笑)。

──(笑)。竹善さんは制作を振り返って一番印象に残っているのは?

佐藤:「Sweet Cat Home」でちょうどいい“ゴロゴロ”という鳴き声を探すのが一番大変でした。録音状態がいいのがなかなかなくて。“ゴロゴロ”の音量がものすごく低いから、スーッていうノイズが酷かったりして。最終的にようやく使えそうなものをさらにトラックに合うように加工しました。

──アルバムのタイトルにはどんな想いを?

佐藤:ある時にラジオの選曲をやってて、ニール・ヤングの「Heart Of Gold」を選んだ時に、ふと“Heart Of Gold”ってフレーズいいなと思ったんです。その言葉はずいぶん前からニール・ヤングの曲名として知ってたわけですけど、その時になぜか、すうっと一般名詞的な感じで気持ちの中に入ってきたんです。で、“Heart”も“Gold”も中学生だって知ってる単語ですけど、“Heart Of Gold”となると“とてもピュアでやさしい心”とか“とてもやさしい心を持った人”という意味があって、それはこのアルバムの内容に沿うなと思って。

──なるほど。そして、この新作はデビュー30周年を飾る作品でもありますね。

佐藤:もうすぐ元号も変わりますから、昭和、平成、その次と、3つの元号にわたってやれてるというのは本当に幸せなことですよね。しかも、30周年の皮切りとしてオリジナルアルバムを出せるというのが本当に嬉しい。これからも“今”、そして“前”を見て頑張っていきたいと思っています。

取材:兼田達矢

OKMusic編集部

最終更新:1/17(水) 10:02
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