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コミュ力もリーダーシップもいらない。元Google社員が語る、本当に“優秀な人材“とは

1/18(木) 5:30配信

ハフポスト日本版

「コミュニケーション能力」「リーダーシップ」「協調性」――。長らく日本企業が「理想の人材」としてきた、紋切り型の言葉たち。「声の大きい人」の意見が通りやすい会社では、こうした特性も必要なのかもしれない。

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そんな人材論に「NO」を突きつけるのが、Googleで人材開発に従事し、現在は国内外の企業で人材育成のコンサルティングをおこなうピョートル・フェリークス・グジバチ氏だ。

「性格は関係ない。大切なのは、結果を出せるかどうか」と、ピョートル氏は語る。出身大学と仕事のパフォーマンスも関係ない。有能な人材を活かすも殺すも、会社や上司の考え方次第だと指摘する。

日本企業とGoogleは何が違うのか。いま日本が知るべき、本当の意味で「有能な人材像」とは?ソ連崩壊後のポーランドで学んだピョートル氏のキャリアと合わせて聞いた。
(吉川慧・ハフポスト日本版)

日本の保守的な会社は「性悪説」 では、Googleは...

――ピョートルさんから見て、日本の大手企業はどんな印象ですか。

日本では大手企業の経営者というと「黒塗りの車」で常に移動しているというイメージがありますよね。丸の内や大手町といったビジネス街では、エンジンをかけっぱなしにした車の中で、運転手が偉い人を待つ。そんな風景を見ることがあります。

古い保守的な会社は「性悪説」の考え方で動きます。部下が何をしでかすかわからないから「トップがすべてをコントロールする。命令に従え」という考え方です。

――では、Googleは?

Googleは真逆の「性善説」です。Googleは非常に自由な会社です。本社の敷地は「キャンパス」と呼ばれるのですが、誰でも入ることができます。

共同創業者のラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンは、ともにスタンフォード大学の出身。Googleにも同じように自由なキャンパスがほしかったようです。

ふたりとも「黒塗りの車」は持っていないし、ひとりで自転車を漕いで移動している。軍隊みたいなボディガードも、お連れの人もいない。

2人はGoogleを作った時、普通の会社とは真逆の会社にしようとしました。「自由を重視して、社員が好きなことに情熱をもってもらおう。それで成果が出ればいい」と。

これまでにも「マネージャーがいらない」という試みや、「20%プロジェクト」(勤務時間の20%は自分の企画したやりたいことに使っていい)を実践するなど、非常に自由を重視している会社です。

こうしたGoogleの気風は、創業者たちが幼い頃に「モンテッソーリ教育」という教育プログラムを受けてきたことも関係しています。

――「モンテッソーリ教育」は、将棋の藤井聡太四段が受けていたことでも話題になりました。どんな内容でしょうか。

「モンテッソーリ教育」というのは、子供の自主性や知的好奇心を育てるプログラムです。

クラスの編成は、たとえば「3~6歳」「6~9歳」「9~12歳」と、年齢の異なる子供同士でクラスを編成します。

そうすると、クラス内で年少の子が何か困っていると年上の子が教えてあげる。先輩に教えてもらった子は、年度が変わると、今度は自分が教える番になる。


「互いに教えていく」ことが仕組みの中に入っていて、クラスにはいろんな学習キットや、自分で作れる学習教材が置いてあります。例えば、絵を描きたいんだったら絵を描くとか、レゴを使って何かを作るとか。

先生の役割はファシリテーションやコーチングです。子どもが好きなことをやってるときに「何をやってるのかな?」って聞いたり、子供が学ぶ上で戸惑っているとき「こうしてみるのはどう?」と、優しく丁寧に説明する。

子どものひらめきを作って、自分で学習できるように。成長志向を育てるんです。

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