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破綻から3年、スカイマークが定時運航率1位に躍り出た3つの改革

1/19(金) 15:26配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

「箱根駅伝で言うと、青山学院がぶっちぎりの1位でしょう? 我々はあんな感じを目指してるんですよ」

破綻から3年、スカイマークが定時運航率1位に躍り出た3つの改革【全写真つき記事はこちらから読めます】

スカイマークがトップに躍り出た。

1月18日、国土交通省航空局が発表した国内線定時運航率調査(平成29年度上期)で、スカイマークが1位(92.59%)となった。2位のJALにわずか0.1ポイント差で競り勝った。

JAL、ANAの大手2社、スターフライヤー、エアドゥほか、LCCなど国内線11社で同社が首位となるのは、1996年の創業以来初めてだ。同社代表取締役会長の佐山展生は、1位へのこだわりを駅伝に例えた。佐山は年に4回フルマラソンを走るランナーだ。

同社の経営陣は、2017年12月の時点ですでに1位を確信していた。佐山とともに経営を担う代表取締役社長・市江正彦は、次のように振り返った。

「我々は1年以上にわたって、単月の定時運航率95%を目標にやってきました。95%を初めて達成したのが昨年11月。翌月には96%。2カ月連続で達成できたんです。これは、簡単にできることではありません」

朝10時、羽田の本社会議室で「朝会」が始まった。本社役員と、北は札幌・千歳から南は那覇まで、10の支店の支店長がテレビ電話で顔を合わせる15分。平日の朝、毎日行われるこの会議では、市江を座長に、各支店長が順に前日の定時運航率を発表する。会議の音声は同時に各支店で放送される。

「今日は那覇支店に負けた」「今日は札幌に勝った」

支店の社員たちは対抗意識を燃やす。

11月単月の95.1%という結果が担当者より発表されたのは、12月1日のこの「朝会」の場だった。

「やっとついに……という思いでした。ああ、みんな、よくやったなと」

市江が破顔した。

「目指さないと1位にはなれない」

95%の壁がどれほど高いかは、例えば、2016年通年での定時運航率1位になったスターフライヤーの92.15%(国交省資料)という数字と比較するとわかる。

「1位をめざすにはどうしたらいいか、という議論の中で、社員の間から出てきた目標数値です。95%を達成すれば、間違いなく1位になれると社員が決めました。佐山さんも私も航空業界の人間ではないから、わかりませんので」

佐山は投資ファンド・インテグラルの代表取締役社長だ。市江は日本政策投資銀行常務取締役執行役員からの転身である。2015年1月にスカイマークが経営破綻した際、佐山の率いるインテグラルがいち早く支援に手を挙げた。市江の古巣・日本政策投資銀行も、出資している。

佐山と市江は、2015年9月より新経営陣としてツートップを組んできた。2人とも、航空業界とは無縁。市江は日本政策投資銀行を退職し、退路を断っての移籍である。2020年9月の上場をめざす。

そもそもスカイマークは、1996年に航空業界の再編と規制緩和の波に乗って、「第3極」の航空会社として誕生した。過去にも経営危機に見舞われながら、破綻前の数年は、ワンマン経営者のトップダウン経営のもと、徹底したコストカットで売り上げを伸ばした。だが、原油高等の経済環境の変化に対応が追いつかず、資金ショートにより破綻。その年度(2014年度)の定時運航率は83.75%。11社中10位だった。

スカイマークは、ホスピタリティがないことに加え「遅れる」「欠航」の多い、「安かろう、悪かろう」というイメージが定着していた。

それが佐山、市江新経営体制になってわずか2年4カ月で1位に躍り出たのである。

「1位をめざそうと言いました。 散策していて気がついたら富士山の頂上にいました、というのはあり得ない。富士山は、目指さないと登頂できません。それと同じで、目指さないと1位にはなれません。それくらい、1位になるのは難しいんです」

と佐山が言う。元高校球児の佐山は、徹底して勝負にこだわる。

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最終更新:1/19(金) 16:35
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