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2017年・プロ野球界の「省エネ投手」は誰?

1/19(金) 11:30配信

ベースボールキング

制球力が投球数に影響

 投手にとって、肩や肘が消耗品という考えが球界の常識となって久しい。それゆえに球数の多い投手は故障する可能性が高いと言われ、実際に球数の多いタイプだった松坂大輔も、メジャー移籍3年目以降は故障に泣くようになった。

 その松坂は、2014年オフにソフトバンクと3年12億円という破格の契約を結びながら、毎年のように肩や肘の故障に苦しんだ。結果、一軍登板はわずか1度きり。それもたった1イニングしか投げられなかった。日米通算164勝を挙げた「平成の怪物」でも戦力外通告を受け、年が明けても去就がなかなか決まらないのも無理はない。

 投手生命を伸ばすうえで必要と言えるのが、肩や肘に負担を掛けないこと。それにはやはり、投球フォームがしっかりしていることに加え、投球数が少ないほうがいいに越したことがない。打者ひとりについての投球数が少なければ、結果的に1試合の投球数が少なくて済む。自然と肩や肘への負担も少なくなるため、結果的に投手生命が延びることになる。

 また、WBCなどの国際大会では故障防止の観点から球数制限が設けられているケースも多く、国際大会に登板する際には重要なポイントにもなるだろう。

 そこで今回は、打者ひとりにかかる投球数が少ない投手を調査。2017年シーズン中、少ない球数で打者との対戦を済ませていた「省エネ投手」をランキングにした。

“省エネ”で飛躍

 対象としたのは2017年シーズンで100イニング以上を投げた投手たち。この中から打者ひとりにつき、投球数が少なかった投手トップ5をランキングにして紹介する。なお、所属チームは2017年シーズン終了時点のものとする。

▼ 第5位
秋山拓巳(阪神)
☆ひとりの打者に対する平均投球数:3.78球

 5位は阪神の秋山。西条高校時代から最速150キロを超えるストレートとカットボールを軸にして、右打者には対になる変化球のシュートを多用して詰まらせるという投球スタイルでルーキーイヤーの2010年には4勝を挙げたが、2年目以降はカットボールに頼りすぎる投球が災いし、2016年までにわずか2勝しか上積みできなかった。

 しかし、2017年は持ち前のシュートを軸にした投球で復活。打たせて取るピッチングスタイルを確立したことで、最終的にはチームトップとなる12勝をマーク。押しも押されぬ主戦投手へとのし上がった。ちなみにコントロールも抜群で、与四球16は12球団でも最少だった。


▼ 第4位
野上亮磨(西武)
☆ひとりの打者に対する平均投球数:3.77球 

 巨人へのFA移籍を決めた野上が第4位。ストレートの平均球速は141キロと打者からしたら打ちごろに思われるためか、初球から手を出されることが多い投手であるが、スライダーやチェンジアップなどの変化球を織り交ぜることで凡打を量産。結果的に投球数が少なく済むという省エネなピッチングを見せ、4年ぶりとなる2ケタ勝利をマークした。

 野上の2017年シーズンを振り返ると、もっとも特徴的なのが与四球の少なさである。毎年のように40個以上四球を献上していたが、2017年は144イニングを投げてわずか24、与四球率で見ても1.50と平均2個以下にとどめている。


▼ 第3位
松葉貴大(オリックス)
☆ひとりの打者に対する平均投球数:3.74球

 3勝12敗と2017年は苦しいシーズンになった松葉。しかしスライダーやカーブ、フォークといった変化球で打ち取るピッチングを身上としているためか、打者がすぐに手を出してくることもあり、打者ひとりに対する平均投球数は3.74。もともと奪三振が少ないタイプで凡打の山を築くケースが目立っていたが、2017年もその傾向は続いていた。

 勝敗数こそ散々なものだが、2016年シーズンと比べると与四球数は10近く減って自己最少の32。コントロール自体は悪くないと言えるが、一方で被本塁打の数は自己最多の16。これを見ると、早いカウントで甘い球を痛打されるケースが多かったと言える。それだけに2018年はどんなピッチングを見せるか注目したい。

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