ここから本文です

蓮ちゃん家族「出てきてくれたのか」 憔悴、声絞り

1/20(土) 7:47配信

福井新聞ONLINE

 発生から40日余り。これまで一切の手掛かりがないまま迎えた19日、家族に届いたのは靴などの特徴が一致した男児の遺体発見という非情な知らせだった。先月9日から行方不明となっていた田中蓮ちゃん(3)=福井県越前市=の祖父康雄さん(54)は「自分の力で出てきてくれたのか」と声を振り絞った。

 康雄さんによると、19日午後1時半ごろ、県警越前署から連絡があり、同2時ごろに署員が蓮ちゃんの父了士さん(30)の自宅を訪問。了士さんと母里奈さん(28)、康雄さんらに「男児の水死体が発見され、蓮ちゃんの可能性がある。身元の特定を急いでいます」と伝えた。報告を聞いた里奈さんは泣きじゃくり、了士さんは放心状態だったという。

 行方不明となった直後から現場近くの吉野瀬川に流された可能性が指摘されたが、服や靴など蓮ちゃんに結びつく物が全く発見されず、家族は「これは川じゃない」という思いを強くしていた。12月半ばからは毎朝、近所の神社や先祖の墓前などで願掛けし、康雄さんは毎晩会社に寝泊まりして孫の帰りを待っていた。

 家族はこの日、親族宅に集まり、警察からの次の知らせを待った。身元の特定はこれからだが、取材に対し康雄さんは憔悴(しょうすい)した表情で「事故事件の両面で調べても手掛かりがない中、自分の力で出てきてくれたんだと思う。帰りを待つ私たちに対する、最後の親孝行だったのかもしれない」と声を詰まらせた。

福井新聞社