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F1ドライバーの最低体重を80kgに規定か!? 2019年からの導入を目指すFIA

1/21(日) 13:20配信

motorsport.com 日本版

 FIAは、2019年からドライバーの最少体重を80kgと規定することを検討していることが明らかになった。

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 F1マシンのドライバーを含む最低重量は、2017年シーズンには728kgと規定されていた。この重量は2016年シーズンの702kgから26kg増加したものだったが、これはタイヤやウイングが幅広くなったことを考慮してのことだった。

 しかし各チームは、新レギュレーション下でマシンを軽量化するのに苦労し、昨年前半には最低重量より重いマシンが複数走っていたと考えられている。

 この影響を最も受けたのは、ドライバーたちである。マシンの総重量を低減するために、減量が必須となったのだ。特に身長の高いドライバーは、これに苦労していた。

 今季からハロの装着が義務化されることで、最低重量はさらに6kg増加することになっているものの、これではハロ装着で増加する重量をまかないきれないと言われており、ドライバーはさらなる減量が求められる可能性がある。

 FIAはこれに対応する形で、2019年からドライバーの最低体重を設定することを検討している。伝えられるところによると、この最低重量は80kgに設定される予定で、ドライバー自身の体重とそのシートの重量、さらにはその下に置かれるバラストが含まれるという。さらにマシン自体の最低重量も、740kgに引き上げられる予定だ。

 このアイデアは、最近行われたF1ストラテジー・グループの会議で浮上したものである。次回の会議でさらに議論が行われ、詳細が詰められることになる。

 F1マシンは最低重量が定められているものの、各チームこれを下回る形でマシンを作り上げることを目指す。ここにバラストを搭載して最低重量を満たすことになるが、バラストの搭載位置は規定されていない。すなわち、マシンの基本重量が低ければ低いほど、積むことができるバラストの量が増え、それを活用してマシンのバランスをコントロールし、パフォーマンス向上に繋げることができる。

 マシンの最低重量にはドライバーの体重も含まれるため、チームは多くのバラストを積むためにドライバーに減量を求め、ドライバーの健康面を不安視する声も聞かれた。

 しかしドライバーの最低体重を80kgに設定することで、この健康面への不安が解消されることが狙われている。例えば70kgのドライバーの場合は、シートを10kgにすること80kgという制限を満たさなければならない。75kgのドライバーであれば、5kgのシートを使うことになる。こうすることでドライバーの体重による有利・不利が生じる可能性を減らし、ドライバーが理不尽な減量に励む必要性を減らすことが目指されているわけだ。

 ストラテジー・グループの会合では、80kgが現在のF1ドライバーにとって現実的な数字であることが同意された。そのため、体重が80kg以上のドライバーは、依然として不利な状況である。

 ドライバー+シートの重量が規定されるということは、マシン開発にもメリットを生むだろう。エンジニアは、マシンの重量を660kgにすればいいということが事前に分かっているので、ドライバーラインアップが確定していなくても、マシンの開発を進めることができる。

「これは何年にもわたって議論されてきた話題だ。だから新鮮な考え方でもない」

 ウイリアムズのテクニカル・チーフであるパディ・ロウはそう語る。

「何年も前には、マシン重量にドライバーの体重は含まれていなかった。しかし1990年代の中頃、ドライバーの体重も含めたマシンの合計重量が定められた」

「しかし、ドライバーの体重を含む問題はまだ残されている。時にそれは、非常に大きな影響を与えることがある」

「特に若いドライバーについては、健康上の問題に繋がることさえある。低い体重に保つために、不健康なレベルになってしまうかもしれない」

「個人的には、(ドライバーの最低体重を定めることは)このスポーツにとっていいことだと思う。過剰な減量の必要性をなくすことは、何年にもわたって多くのドライバーが求めてきたモノだ」

Adam Cooper, Valentin Khorounzhiy