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「蓮、寒かったろう」両親ら涙 遺体発見現場で手合わせる

1/21(日) 8:08配信

福井新聞ONLINE

 「蓮、ごめん」―。遺体が発見された福井県坂井市三国町新保の九頭竜川河川敷で20日午後、同県越前市の田中蓮ちゃん(3)の父了士さん(30)ら家族10人が手を合わせた。同市内の駐車場から行方不明となって43日目、家族の切なる願いはかなわなかった。

 同日午前、県警坂井西署がDNA型鑑定から遺体は蓮ちゃんであると断定。結果は間もなく家族に伝えられ、了士さん、祖父康雄さん(54)が越前署で悲しみの対面を果たした。背格好などから一目で蓮ちゃんと分かったという。了士さんに付き添われ、その後対面した母里奈さん(28)は泣き崩れた。

 九頭竜川河川敷の発見現場では「寒かったろう」「ごめんな」との声が何度も上がり、静かな水辺がおえつに包まれた。康雄さんは「よくここに上がってくれた。泳いでくれたんか」とつぶやき、川面を見渡した。

 腰を下ろして花をそっと手向けた了士さんは流れ出る涙をぬぐおうともせず、一心不乱に手を合わせた。その間、康雄さんも顔を上げることができなかった。

 花を供えて手を合わせた随行の越前署員に、家族全員が「本当にお世話になりました」と感謝の言葉を述べ、深々と頭を下げた。

 帰り際、発見現場に近い片隅に小さなチョコレートが二つ供えられているのに家族の一人が気付いた。蓮ちゃんが大好きなアンパンマンのお菓子だった。再びおえつが漏れた。

福井新聞社