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DeNA、常識外れの「左4枚」は球界OBも太鼓判 その独自の戦略を読み解く

1/24(水) 19:10配信

VICTORY

昨シーズン、19年ぶりとなる日本シリーズ進出を果たした横浜DeNAベイスターズ。その原動力の一つとなった「充実した左投手」に、さらにもう一人、即戦力の呼び声高い東克樹がドラフト1位指名された。常識外れの「左4枚」、その裏にある独自の戦略を読み解く。(文=花田雪)

先発左腕が充実したDeNAが、さらに左投手・東克樹をドラフト1位指名

昨年10月26日に行われたプロ野球ドラフト会議。横浜DeNAベイスターズの1位指名に「東克樹、投手、立命館大学」の名前がコールされた瞬間、正直、「なぜ?」と感じざるを得なかった。

同ドラフトで「目玉」とされていたのは高校ナンバーワンスラッガーの清宮幸太郎(早稲田実業から日本ハムに入団)、夏の甲子園で1大会6本塁打を放ったスーパー捕手・中村奨成(広陵高から広島に入団)、アマ球界ナンバーワン左腕・田嶋大樹(JR東日本からオリックスに入団)の3選手。事実、DeNA以外の11球団は全てこの3選手を1位で指名し、いわゆる「一本釣り」に成功したのはDeNAだけだった。

とはいえ、大学球界屈指の左腕である東の1位指名はドラフト前にも報道されており、いわば既定路線。指名自体はサプライズではなかったのだが、それでもやはり、その指名に疑問を感じたのはDeNAの補強ポイントと東という投手の乖離にあった。

2017年、DeNAはセ・リーグ3位ながらクライマックスシリーズを勝ち上がり、日本シリーズへと進出した。その原動力の一つに、「先発左腕の充実」があったのは間違いない。

昨季、DeNAの投手陣で10試合以上に先発したのは5人。そのうち、今永昇太、濱口遥大、石田健大の3人が左投手だった。今永はチームトップの11勝を挙げ、新人の濱口も10勝、石田は6勝に終わったが、2016年には9勝を挙げ、昨季はチームの開幕投手を任されている。

先発左腕の充実度でいえば、12球団でもトップクラス。先発ローテーションは6人で回すのが基本であるため、「右投手3人、左投手3人」という現状の布陣は理想的ともいえた。

左の先発候補は、決してDeNAの補強ポイントではなかった。むしろ、メジャー移籍願望の強い筒香嘉智の後継者として清宮や安田尚憲(履正社高からロッテに入団)を、頭数は揃っているが絶対的存在のいない捕手へのカンフル剤として中村を指名する方が、自然に思えたのだ。

それでもDeNAはドラフトで清宮でも、中村でもなく、左投手である東を単独指名した。

これにより、今季のDeNAは即戦力の呼び声高い東が評判通りの実力を発揮できれば「左腕4人」という、プロ野球界でもめったにお目にかかれない先発ローテーションを形成することになる。

東の実力は、確かにドラフト1位にふさわしい。ただ、果たして獲得すべき球団はDeNAだったのか……。

ドラフト直後、そんな疑問を感じたのは確かだ。

しかし、このオフ。複数の野球評論家にDeNAの「先発左腕4人体制」の話を聞くうちにその考え方は少しずつ変わっていった。

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最終更新:1/25(木) 8:01
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