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残業代ゼロ法案が「働き方改革」関連法案に紛れ込む? 一体どうなる?

1/26(金) 8:30配信

THE PAGE

 政府は22日に招集された通常国会に「働き方改革」関連法案を提出する予定となっていますが、この中には、何度も法制化が議論されながら実現していなかった、いわゆる残業代ゼロ法案が含まれる可能性が高いといわれています。もし法案が成立すれば、裁量労働の範囲が大きく広がることになります。

 高度な専門職を対象に、労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度(ホワイトカラーエグゼンプション)」は、経済界が強く導入を求めており、これまで何度も法制化が議論されてきました(いわゆる残業代ゼロ法案)。しかし、この制度が実現した場合、なし崩し的に裁量労働が拡大するとの指摘があり、国会での議論には至っていません。昨年秋の臨時国会では法案が提出される予定でしたが、冒頭で解散となってしまったため審議は行われておらず、政府は今国会での成立を目指しています。

 裁量労働の対象となる「高度プロフェッショナル人材」については、年収1075万円以上が目安になるとされていますが、実際の文言がどうなるかはまだ分かりません。一部の識者は、この金額がなし崩し的に下げられ、ごく一般的なホワイトカラーにも適用されてしまう可能性があると指摘しています。

 政府はこの法案と平行して、罰則付きで残業時間に対する上限規制を導入する方針を固めています。企業は無茶な残業を社員に要求できなくなりますから、裁量労働を拡大したいと考える経営者は多いはずです。一部の企業かもしれませんが、無理矢理社員を高度プロフェッショナル人材に認定し、残業代を払わないというケースが出てくるでしょう。

 このところ残業規制や裁量労働の拡大、副業の容認など、労働者の働き方に関する議論が同時並行で進んでいます。これらは一見、別々の動きに見えますが、最終的には新卒一括採用、終身雇用、年功序列という戦後型雇用環境と密接に関係してきます。

 安倍政権は今国会を「働き方改革国会」と位置付けており、野党も徹底抗戦の構えです。逆に言えば、ようやく国会の場で働き方について本格的な議論ができるようになったともいえます。改革の本質はどこにあるのか、各論ではなく総合的な議論が必要でしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:10/1(月) 21:48
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