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「子宮頸がんは働き方の問題でもある」 32歳、ある女性の選択

1/25(木) 16:30配信

BuzzFeed Japan

20代後半から増え、40代前半にピークを迎える子宮頸がん。働き方、結婚、出産など、考えることの多いこの時期に、「子宮頸がんになる一方手前」と診断されたらーー治療を巡る、ある女性の選択について、話を聞きました。【BuzzFeed Japan Medical / 朽木誠一郎】

「ハードワーク」「結婚」、そして「手術」

「私の世代って、働き盛りだし、子どもを産みたいタイミングでもあるじゃないですか。だから、子宮頸(けい)がんって、働き方の問題でもあるんだなって」

現在32歳。長時間労働と不規則なスケジュールが常態化した業界で働く、いわゆる「ハードワーカー」の女性であるAさんは、BuzzFeed Japan Medicalの取材に、そう話します。

Aさんは2017年の冬に、子宮頸部(子宮の下部で膣とつながっている部分)の手術を受けました。

手術をしたのは、「中等度異形成」と呼ばれる異常な状態が、子宮の頸部に起きていたから。簡単に言うと、Aさんは「子宮頸がんになる手前」だったのです。

Aさんは異常のあるところを取り除くための手術を受けました。しかし、左の図でCIN2(中等度異形成)までであれば、異常が自然になくなることもあり、経過観察をすることも多いのです。

また、Aさんが受けた手術は「円錐切除手術」と呼ばれ、子宮頸部を切り取ります。そのため、この手術では流産や早産のリスクが高まることも知られています。Aさんは秋に結婚をしたばかりでした。

なぜ、この時期に手術をしたのでしょうか。Aさんは「今ならいろいろなことがコントローラブルだから」と説明します。この年代の女性が直面しやすい子宮頸がんと働き方について、詳しく話を聞きました。

痛くも辛くもない病気より、目の前のこと

子宮頸がんは20代後半から増え、40代前半でピークを迎える病気です。一生のうちに子宮頸がんと診断されるのは、74人に1人。年間約10,000人が子宮頸がんにかかり、約2,700人が命を落とします。

Aさんが自分の体の異常に気づいたのは2011年、26歳の頃。「念のため受けておこう」と思って受けた人間ドックの中に子宮頸部検診があり、そこで中等度異形成が見つかったのがきっかけです。

それまでに勤務していた会社を通じて受けた検診では、異常が出たことはなかったそうです。

初めて異常が見つかったときは「いずれ子宮頸がんになるかもしれないとは言われたけれど、あまりよくわかっていなかった」とAさん。それ以来、Aさんは定期的に検診を受けることで、長い経過観察の期間に入りました。

しかし、この検診は、決して楽なものではありませんでした。異常を発見したときの検診は「細胞診」。膣の中に入れた綿棒で子宮の入り口付近をこすって細胞を取り、異常がないか調べる方法です。

一方、異常が見つかってからの検診は「コルポスコープ診」と「組織診」。組織診では子宮頸部の一部を削り取るため、痛みも強かったのです。

「そもそも、私はあの診察台(*)に上がるのが苦手で……。できればやりたくないと思っていました」

*婦人科の内診台では、仰向けに寝転んだ状態で、医療者に対して大きく足を開く。

朝から晩まで仕事をしながら、余暇にもやりたいことがたくさんある毎日。Aさんにとって、定期的な検診はやがて「面倒くさいもの」になっていきました。

「体の中に異常があると言われても、痛いわけでも辛いわけでもないし、差し迫った問題だと思うことはできませんでした」

「それよりも、目の前の仕事のチャンスを逃したくない、プライベートな時間を確保したい、という欲求の方が、私にとっては優先順位が高かったんです」

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最終更新:1/25(木) 16:30
BuzzFeed Japan

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