ここから本文です

お米も野菜も 歌って大好き 応援ソング続々

1/26(金) 13:20配信

日本農業新聞

 「おコメ・コメ・コメ~お米マン~」。米や野菜など農作物を応援する歌が近年、相次いで登場して注目されている。農業に縁遠いアニメ作家やロック歌手などが作曲し、インターネットで配信するなど活況だ。今月末には大手音楽出版社が、米の応援歌「お米マン」を全世界へ有料配信する。「朝ご飯食べてね」「野菜好きになって」「農業がんばれ」──。表現者たちのエールが農業を後押しする。

「朝ご飯食べて」 世界に向けネット配信

 正義の味方~お米マン──。勇ましい歌詞と軽快な曲調の「お米マン OKOME‐MAN」は、横浜市の行政書士、小竹一臣さん(49)が2017年2月に制作した。市の小中学校運営協議会の委員を務める中で、朝ご飯を食べない子どもの多さを痛感し、米食のPRになる歌を作ろうと考えたのがきっかけという。祖父母が山形県の稲作農家で、米への思い入れの強さも原動力になった。

 知人の作詞家、倉田二朗さんと制作し、市内の子ども合唱団に歌ってもらい動画の投稿サイトで紹介した。すると、首都圏や高知県などのテレビ・ラジオ局が「面白い歌」と番組内で紹介。子どもたちが「お米・米・米」と歌い踊る映像が流れ、大きな反響を呼んだ。

 各地の精米店も大喜びで、店主らが主体となり「お米マンプロジェクト実行委員会」を発足。愛知県豊川市や神奈川県鎌倉市の店主らがお米マン特設ホームページを作り、顧客にPRするなど盛り上げている。

 評判を受け、大手音楽出版「サンミュージック出版」も同曲を“商品化”。31日からインターネットで全国配信する。同社は「米は日本のソウルフード。国内だけでなく全世界の子どもに米のおいしさを知ってほしい」と言う。

子育て支援、伝統作物も

 神奈川、静岡、山梨県の生協ユーコープは、子ども向けの音楽とアニメを作り動画サイトで配信する姉妹ユニットの東京ハイジに依頼し、17年9月に「おやさいたべてちょ」を作った。女の子が妖精“おやさいこびと”の運ぶ野菜をもりもり食べる歌だ。

 「もしゃもしゃむにむに」とユニークなそしゃくの音や、ひょうきんな妖精の姿が子どもに受け、動画の再生回数は3カ月で約100万回に上った。ユーコープは、子育て中の母親の応援として「子どもが野菜嫌いを克服できる歌を」と依頼した。田園風景の広がる青森県五戸町出身の東京ハイジは「育児に役立つだけでなく、農産物振興の助けになるのがうれしい」と喜ぶ。

 演奏活動やテレビ番組への楽曲提供をするロックバンド「RABUTORA」のボーカル兼ギタリスト、川村いさみさん(38)は、江戸東京野菜の歌「野菜のタイムカプセル」を作った。ロックと伝統野菜の意外な組み合わせがインターネットで話題になり、動画サイトに公開されると、音楽ファンだけでなく農業関係者の注目も集めた。

 川村さんは、縁あって知り合ったNPO法人江戸東京野菜コンシェルジュ協会の福島秀史理事との交流を通じて、江戸東京野菜の歴史と希少性を知った。「種と伝統を守る生産者の存在と、唯一無二の形を持つ野菜の個性という価値を知らせたい」(川村さん)と制作した。

 福島理事は川村さんの歌を「没個性化など、社会のひずみまで表現していて奥深い。農へのまなざしが温かい」と高く評価。「音楽などの他業界と手を携えてこそ、農業は存続できる」と加える。今後は歌に合わせた生産者紹介の動画を作るなどしてPRを進める考えだ。(齋藤花)

日本農業新聞

最終更新:1/26(金) 13:20
日本農業新聞