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能登産イノシシ肉、ドッグフードに 能美の企業が商品化

1/26(金) 2:22配信

北國新聞社

 石川県内で捕獲されたイノシシの食肉利用を進めるため、能美市内の企業が、能登産イノシシ肉「のとしし」を使ったドッグフードを商品化した。9割近くが廃棄されているイノシシの活用策として、拡大するペット関連市場に目を付けた。ドッグフードに多く用いられる鶏肉などに比べ、イノシシ肉は割高だが、低カロリーで栄養が豊富だとして、健康志向の愛犬家の需要を見込む。

 のとししを使ったドッグフード「wa-fu(ワフ)」は、物流機器の製造、販売を手掛けるボックス工業(能美市)がインターネットを使った新たな事業展開の一環で作った。きっかけは、同社で働く愛犬家、加茂野恭子さんの悩みだった。愛犬の健康状態を心配し、食べ物を改善しようにも思うようなフードが見つからなかった。多原正博社長(44)が「ないなら作ればいい」と商品化に動いた。

 加茂野さんが愛犬家仲間から「ゆでたイノシシ肉をあげたらよく食べた」との評判を聞いていたこともあり、多原社長はヘルシーで地域貢献にもつながることからイノシシ肉を採用した。同じ頃、羽咋市の獣肉処理施設でイノシシ肉の解体に当たる地域おこし協力隊員、福岡大平さん(26)もペットフードへの活用を検討していたことから、のとししを使えることになった。

 使うイノシシ肉は、高級レストランでもジビエ料理に提供される品という。イノシシ肉には良質なたんぱく質と、疲労回復や皮膚の健康につながるビタミンB群が豊富に含まれている。ドッグフードは栄養素を損なわないよう低温乾燥により粒状に仕上げる。

 イノシシ肉を8割使い、魚肉2割を混ぜた「プレミアム」と、イノシシ肉4割に仔牛(こうし)、鶏、魚肉を2割ずつ混ぜた「スタンダード」の2種類を用意した。犬の健康を第一に考え、肉以外の素材にもこだわり、化学添加物などは使わずに仕上げた。

 今回使うイノシシ肉の仕入れ値は、鶏肉と比べても約20倍とコストはかかるが、多原社長は「世の中のため、愛犬家のために作った」と話した。2月中旬からインターネットを通じて販売する。

 県によると、農作物被害を防ぐために県内で捕獲されるイノシシは、2014年度は2919頭、15年度は4952頭、16年度は7704頭と増加傾向にある。食肉利用率も徐々に高まり、16年度は10・1%に拡大したが、依然9割ほどが廃棄されている。

北國新聞社

最終更新:1/26(金) 2:22
北國新聞社