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集客を強化、観光客に照準 道南いさりび鉄道が開業2年

1/29(月) 5:00配信

北海道新聞

鉄道網維持の先行例に

 【函館】道南いさりび鉄道(いさ鉄、函館)が集客策を強化している。観光列車の増便などで外国人観光客の取り込みを狙い、利用が伸び悩んでいる地元客向けのPRにも力を注ぐ。2016年3月26日の北海道新幹線開業と同時に、いさ鉄がJR北海道から旧江差線を引き継ぎ、地元自治体などの支援を受けて運営する鉄路の動向は、路線見直し問題に直面する道内鉄道網の将来を考える上での先行例にもなりそうだ。

<動画>いさ鉄沿線 ディープな魅力紹介

観光列車「海峡号」を増便

 「ツアー客の反応がすごくいい。道内のローカル線が観光資源として全国に認知されてきた」。いさ鉄の小上一郎社長は観光列車「ながまれ海峡号」の根強い人気に手応えをつかむ。日本旅行(東京)のツアー商品となっており、いさ鉄社員も企画や当日のガイドに関わる。17年度は16年度のほぼ倍の30本を運行予定。利用者も16年度の約600人を大きく上回りそうだ。
 函館―木古内(渡島管内木古内町)間の往復約4時間のツアーでは、地元の海鮮料理などを味わい、車窓の風景を楽しむ。昨年12月23日のツアーに参加した函館市内の看護師高畑智子さん(50)は「通過駅はそれぞれに味わいがあった。列車に揺られて、のんびりと進む鉄道の旅は心地よかった」と笑顔を見せた。

 訪日外国人対策にも余念がない。いさ鉄は東北などの鉄道会社12社と1月1日から、青函で増加する台湾人観光客向け共通周遊切符の販売を始めた。2月中旬には台湾人向けの初めての列車も運行。台湾の公営鉄道・台湾鉄路管理局(台鉄)との協定締結も目指す。

新幹線の開業効果は一服

 ただ快調な臨時列車の陰で、現状では新幹線の開業効果が一段落し、いさ鉄全体では苦戦。実質初年度の16年度は72万5千人が利用したが、17年度はこれを5%下回るペースだ。特に新幹線と接続する木古内駅の券販売機の売り上げは、観光客の減少などで前年度比で2割ほど減ったという。

 いさ鉄の経営計画は沿線人口の減少を踏まえ、16年度からの10年間で16億円の赤字を見込み、道や周辺自治体による穴埋めが前提。11年目以降の見通しは明確に示されていない。

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最終更新:1/29(月) 5:00
北海道新聞