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加湿器の「レジオネラ菌」に注意 高齢者施設で集団感染、死者も 厚労省、適切な手入れ呼び掛け

2/1(木) 9:36配信

西日本新聞

 高齢者や乳幼児に肺炎などを引き起こす「レジオネラ菌」。感染源として入浴施設が疑われるケースは多いが、家庭や職場など身近に使われている加湿器の危険性も指摘されている。大分県国東市の高齢者施設では加湿器が原因で昨年12月~今年1月に、80~90代の男性3人が感染、うち1人が死亡した。今冬、インフルエンザが猛威を振るい、加湿器の需要も伸びる中、厚生労働省などは「適切に手入れをしないと集団感染につながる」と注意を呼び掛けている。

⇒【画像】スチーム式や気化式…家電量販店に並ぶ加湿器

 「浴場は注意していた。1年前に買い替えた加湿器も、週に1回は水タンクをブラシで洗うなどちゃんと手入れしているつもりだった」。国東市の施設関係者は困惑する。

 大分県によると、感染者の居室で使用されていた加湿器のタンクや吹き出し口から菌を検出。菌がタンク内で増殖し、空気中に広がったとみている。

高齢者が感染すると重症化も

 レジオネラ菌は主に土の中に生息しており、日常生活で接する機会は多いが、免疫力の弱い高齢者などが感染すると、重症化することもある。菌は水回り環境で繁殖しやすいとされ、近年は入浴施設での発生が目立っている。

 大分県も、施設側の感染報告を受けて調べたのは浴場。加湿器にたどり着いたのは、感染の発生から3週間以上がたったころで「まず浴場を疑った」と言う。

 ただ、国立感染症研究所(東京)によると、加湿器による感染はこれまでも東京都や広島県、新潟市で確認され、症例こそ少ないが注意喚起されている。

インフルエンザで需要拡大

 加湿器はここ数年、インフルエンザの感染予防に効果があるなどとして需要が拡大。家電量販店などによると、今冬も好調な売れ行きという。

 加湿器には、水を沸騰させて水蒸気を噴出させるスチーム式▽風を当てる気化式▽水を振動により気化させる超音波式-などがある。レジオネラ菌は20~45度で増殖し、60度以上で死ぬため、スチーム式は感染リスクが低いとされる。

 厚労省などによると、菌の感染予防には専用の薬剤やクエン酸の水溶液での洗浄が有効で、洗浄後は十分に乾燥させる。水道水に含まれる塩素は菌を死滅させるが、水をためたままにしておくと繁殖する恐れがあり、利用するごとに入れ替えるよう求めている。

 国東市の施設はその後、加湿器を新たに買い替え、殺菌作用のある次亜塩素酸水を入れるようにした。大分県健康づくり支援課は「レジオネラ菌の侵入を防ぐのは難しいが適切に手入れすれば、リスクは低くできることを呼び掛け、集団感染を防ぎたい」としている。

=2018/02/01付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞社

最終更新:2/1(木) 10:55
西日本新聞