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「バイプレイヤーズ」名脇役タイト日程に調整悲鳴 合って週3日 アドリブ余分に1~2ページ

2/7(水) 8:00配信

スポニチアネックス

 ◇浅野敦也プロデューサーインタビュー(上)

 名脇役たちが再び本人役で共演するテレビ東京の連続ドラマ「バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~」(水曜後9・54、全5話)は7日、スタートする。約1年ぶりの復活となり、深夜枠(金曜深夜0・12)の40分枠からプライム帯(午後7~11時)の1時間枠に昇格。前回に続いて企画を担当し、今回は演出も手掛けるドリマックス・テレビジョンの浅野敦也プロデューサーが前作を上回るスケジュール調整の苦心を明かした。

 昨年1~3月に放送された前作「~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」に続き、遠藤憲一(56)大杉漣(66)田口トモロヲ(60)松重豊(55)光石研(56)=アイウエオ順=が出演。寺島進(54)はスケジュールが合わず、今作は休む。

 前回は、6人が共同生活を送る“おじさんだらけのテラスハウス”として話題に。今回は、テレ東制作の朝ドラ「しまっこさん」で共演することになった5人がロケ地を間違えて無人島に漂流し、サバイバル生活を送るというストーリー。

 もともとの始まりは、6人を特集した2002年秋の映画祭「6人の男たちフィルムズ」(東京・下北沢)。10年後、6人が週刊誌の対談企画で再び集まり、その記事を読んだ浅野氏が共演作を企画。「この方々の一番の魅力は何かと考えたら、もう、この方々自身じゃないか。この方々に何かの役をお願いするより、この方々そのものに登場していただきたいと思ったんです」と「バイプレイヤーズ」が生まれた。

 “おじさん萌え”する視聴者が相次いだのをはじめ、虚実入り乱れた本人役、「主役?テレ東だろ」の自虐ネタ、「週刊文春」の時事ネタなど、エッジの利いた内容に絶賛の声が続出。旋風を巻き起こし、「東京ドラマアウォード2017」作品賞<連続ドラマ部門>優秀賞、「第33回ATP(全日本テレビ番組製作社連盟)テレビグランプリ」優秀賞に輝いた。

 17年2月、前作のクランクアップ時、大杉は千葉・館山のシェアハウスで行われた撮影を“部活”と称し「時間がない中、みんなといっぱいディスカッションをしました。起きている時間はずっと一緒いるものですから、代え難い貴重な体験でした。1本目としては、すごくよかったと思っています」と回顧。「こんなに無駄話が多い人たちも珍しい。結果的に実のない話しかしていなかったですね」と笑いながら「その無駄話が楽しい。僕だけで決めることではないですが、引き続き、みんなで実のない話をしませんか?という感じですかね」と再共演に意欲を示した。打ち上げの時も、キャスト・スタッフは次回作の話で盛り上がった。何より、第2弾を望む視聴者の声が多かった。

 浅野氏は「同じ深夜枠だったら、前作を超えるのは大変。どういうふうにやるのがいいのか、非常に苦しい」と個人的に感じていたが、17年春頃、テレ東から「10本じゃないが、プライムタイムの1時間は?」の提案。「前回とは異なるアプローチになるので、これは挑戦のし甲斐があると思いました」と名脇役たちのスケジュール調整に入った。

 しかし、引く手あまたのバイプレイヤー。遠藤は3日にスタートしたフジテレビ「家族の旅路 家族を殺された男と殺した男」(土曜後11・40)、松重は放送中のTBS「アンナチュラル」(金曜後10・00)、光石は放送中の日本テレビ「トドメの接吻」(日曜後10・30)にも出演している。田口は舞台「秘密の花園」(1月13日~2月4日、東京芸術劇場)を終えたばかり。浅野氏は「スケジュール調整は今も大変なまま。頭を悩ませています」と苦笑いした。

 今回、田口が舞台の稽古・本番のため、昨年12月から約2カ月不在。浅野氏は「なので、先に11月に第1話と第2話を可能な限り、撮影しました。5人のスケジュールが合うのは、1週間に多くて3日間。1日に撮る分量が通常のドラマより増えるので『どうしよう~』という感じです」と悲鳴。前回はスケジュールの兼ね合いがあり、6人勢揃いのシーンは限定されていた。「6人の共同生活をたくさん見たいというご要望は頂いたのですが、物理的に無理でした」。しかし、今作は「やっぱり勢揃いのシーンが一番パワーがあるので、なるべく多くしたいと思っています。個々に動くシーンは前作より相当少なくなっています。だから、勢揃いのシーンを一体、1日何ページ撮るんだという話になり、大変です。撮影が夜遅くに及ぶと、皆さん、帰りたくなっちゃいますから」と再び苦笑いした。

 勢揃いのシーンは前回以上に、アドリブが入る余地を残した台本にした。「そのシーンの本来の芝居が終わっていても、そこから5人の掛け合いが続くので、カットをかけずらく、延々とカメラを回しています。そのアドリブがおもしろいものですから、スタッフも笑いをこらえるのにひと苦労。本来の芝居より、アドリブをメインに使うシーンもあります。皆さんから湧き出るものがあふれる撮影現場になっています」。5人の掛け合いが続くシーンは台本1~2ページぐらい余分に芝居をしているという。

 前作超えへの重圧は?と水を向けると「5人が絡めば、おもしろいに違いないという確信はあるので、大事なのは、とにかく皆さんが他とは違うクリエイティブな作業ができていると思える環境を作ること。作品がおもしろいかどうかは視聴者の方々が決めることで、僕たちは“バイプレイヤーズテイスト”をやり切るしかない。だから、前回を超えられるかというプレッシャーより、皆さんのスケジュールを調整し、楽しく大笑いしながら臨める雰囲気を作らなきゃいけないと思いました」。タイトな日程の中でも、充実の撮影が続く。

 “奇跡の共演”が再び実現した伝説のドラマの第2章は今夜、幕を開ける。