ここから本文です

財政黒字化大幅に先送り、経済成長実現せず黒字化そのものも難しい?

2/9(金) 7:00配信

THE PAGE

 政府の財政健全化目標が再び先送りされました。前提としていた経済成長が実現できないことから、成長率見通しを引き下げており、達成時期に加えて、黒字化そのものも難しくなったといえるでしょう。

黒字化はさらに後退、2027年の試算に

 これまで日本政府は、基礎的財政収支について2020年度に黒字化するという公約を掲げてきました。基礎的財政収支とは、国債の利払いと償還費を除いた歳出と、国債発行収入を除いた歳入に関する財政収支です。2016年7月段階における試算では2020年度の赤字は5.5兆円でしたが、2017年1月の試算では8.3兆円に拡大するなど、逆に状況が悪化していました。

 政府はこうした状況を受けて試算の見直し作業を実施。昨年7月には2025年度に黒字化するという収支予想を発表していましたが、今回(今年1月)の試算ではさらに時期が後退し、黒字化は2027年度となっています。

試算では2023年度に後退、成長率も拡大せず

 2020年度の黒字化が不可能なことは、以前から市場では認識されていましたから、時期が先送りされたこと自体には大きな驚きはありません。しかし、今回の試算では少し気になる改定が行われています。それはGDPの成長率見通しです。

 従来の試算ではアベノミクスの目標値である名目3%、実質2%程度の成長率を前提としてきましたが、過去5年の成長率の実績は1%台前半と目標を大きく下回っています。前回の試算では2020年度には実質成長率が2%に達するとしていましたが、今回の試算では2023年度に後退。その後の成長率についてもほとんど拡大しないというシナリオになっています。

実際の経済情勢はさらに厳しく

 経済成長率の数字を現実に近づけたことについては、試算の信頼を高める結果につながりますから、市場も評価するでしょう。しかしながら、実際の経済情勢はさらに厳しいというのが現実のようです。2018年は世界景気の拡大によって輸出産業の業績が拡大し、日本のGDPも順調な伸びを示すと予想されています。

 しかし世界景気の循環サイクルは2019年あたりに踊り場になるという見方が強まっており、そうなると2020年以降の成長にブレーキがかかる可能性が高まります。しかも日本の場合、2019年10月の消費増税、2020年1月からの所得増税など増税プランが目白押しとなっており、個人消費には大きな逆風が吹きます。

 もし今回、公表した成長率目標をさらに下回ることになった場合、財政を黒字化することそのものがかなり難しくなってくるかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:10/1(月) 21:36
THE PAGE

あなたにおすすめの記事