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<生鮮食品>野菜盗難相次ぐ 身も心も凍る冬 九州3県

2/8(木) 13:00配信

毎日新聞

 全国的な野菜価格の高騰が続く中、転売目的とみられる数百個単位の野菜の盗難が各地で相次いでいる。今後しばらくは高値が見込まれ、自衛も難しく農家は気が休まらない。

 「無残なやり方で、もうがっくり」。佐賀県みやき町簑原の白菜畑で、生産者の吉村哲雄さん(66)が肩を落とした。1月末に畑の一部の約500個(15万円相当)の白菜が根元から刃物で切られ、なくなっていた。県警鳥栖署に届けたが、同じ畑で別に500個近くが取られていることも判明。「他の畑も被害に遭うかと、夜もぐっすり眠れない。さあ収穫という時にごっそり持って行き、生産者の気持ちを踏みにじっている。夜間の見回りをやったが、防犯カメラまで設置するかどうか……」と頭を抱える。

 福岡県糸島市でも昨年12月下旬から今年1月上旬にかけて、ネギ約30本や大根100本以上が盗まれ県警糸島署が調べている。長崎県南島原市では畑から約12キロ(2万3000円相当)のブロッコリーを盗んだとして島原市内の農業の男(65)が2月7日に現行犯逮捕された。県警南島原署によると、男は自らブロッコリーを栽培しているが「売って小遣いにしようと思った」と容疑を認めているという。愛知県豊橋市の畑でも2月初めまでに白菜計約500個が盗まれた。

 背景の一つとみられるのが野菜高騰の長期化だ。農林水産省の調査によると、昨秋以降の台風や長雨、低温の影響で価格が上昇しており、1月15日の週には白菜は平年の2・3倍、大根は2・2倍まで上がった。次第に落ち着いてきているが、大根が平年並みに戻るのは2月後半、白菜は3月以降の見込みだ。

 当面の高値予想に関係機関も警戒を強めている。JA糸島は、農家や職員らによる夜間の巡回を実施しているほか、侵入者がいた場合に反応するセンサーライトの設置を勧めている。糸島署や鳥栖署も「畑の付近で不審な人がいれば通報してほしい」と呼びかけている。【中村敦茂、今野悠貴】

最終更新:2/8(木) 13:27
毎日新聞