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小林潤が平昌の風つかむ「気持ちで負けないように飛びたい」

2/8(木) 6:07配信

スポーツ報知

 極寒の青空に、美しい放物線が映えた。今季W杯個人総合8位につける小林潤志郎(26)=雪印メグミルク=は午前練習の3回目、有利な向かい風を受けてヒルサイズ(109メートル)まで1・5メートルに迫る大ジャンプをかました。「内容的には、(これまでで)一番良い面が出せている。特に3本目は風もよく、距離が伸びた」。今季W杯個人総合首位のストッフ(ポーランド)、同2位のフライタク(ドイツ)ら有力勢も参加した中で、3回目は全体4位の好成績。練習のため飛型点は加味されていないが、表彰台が十分見える仕上がりだった。

 標高800メートル以上の高地にある平昌。メダル争いを左右しそうなのが風向きだ。1回目も好条件で102メートルを飛んで5位につけたが、2回目は風に恵まれず94・5メートルの17位だった。「風がコロコロ変わるのでしっかり風をつかみたい。運も味方につけて(着地の)テレマークをしっかり入れたい」。不安定な風の中で戦う条件は、皆同じ。万全を尽くすことが勝利の近道になる。

 「潤志郎」には「周囲が潤うような人柄で、志を持ち、強い男であってほしい」という両親の願いがこもっている。小学1年の頃からジャンプに憧れ、毎年1~2月は食い入るようにテレビ中継を見つめていた。いつか世界に、と努力を積み重ねてきた。今季W杯開幕戦のビスワ大会(ポーランド、17年11月19日)で初優勝し、個人総合も8位。遅咲きの26歳でつかんだ初五輪へ、ついに立つ。「実感はまだ湧いていない。ここまで来られると思っていなかった」と小林潤。父・宏典さん(53)は「ソチ落選の悔しさからよくはい上がってきた。周囲に感謝し、世界の大舞台を楽しんでほしい」と背中を押す。

 6日はJSC(日本スポーツ振興センター)が設置した「ハイパフォーマンス・サポートセンター」(平昌)を訪れ、日本食に舌鼓。「こういうのがあるのが五輪なんだ」と国を挙げた支援のありがたみも感じた。男子NHで表彰台に立てば、98年長野大会銀メダルの船木和喜以来20年ぶりの快挙。8日の予選から好飛躍を重ね、平昌の台を自分のものにしたい。「気持ちで負けないように飛びたい。メダルを目指したいと思う」。準備は整った。臆せず力を出すだけだ。(細野 友司)

 ◆平昌五輪のジャンプ台 平昌会場のアルペンシア・リゾート内にある。周囲の山には風力発電のプロペラが回っているように、風が強い土地柄。ジャンプ台も小高い山の頂上に助走路が設けられており、強風よけのため周囲は防風ネットが張られている。助走路の感覚は長野・白馬ジャンプ競技場に近いとされ、女子の高梨沙羅は「良くも悪くも癖がない台」と評した。台に向かって左にNH、右にLHがあるのも白馬と同じ。白馬は台上から美しい街並みが一望できるが、平昌は夏場に着地点がサッカー場として使われるため、着地後にピッチ上へ滑り降りていくイメージ。五輪期間中は、向かい側にスノーボード・ビッグエアで使う仮設のジャンプ台もある。

最終更新:2/12(月) 16:08
スポーツ報知