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大手企業にこだわる親とのパラサイト就活の実態--学生の内定辞退「オヤカク」で囲い込み

2/9(金) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

2019年卒の新卒採用の広報活動が3月1日に解禁される。だが、経団連が「1dayインターンシップ」の開催を認めたことで、インターンシップに名を借りた事実上の会社説明会がすでに始まっている。

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売り手市場ということもあり、優秀な学生をいち早く確保したいのは大企業も中小企業も同じ。2018年は選考や内定出しが前年より早まりそうな気配だ。

そのなかで近年無視できなくなっているのが親の存在だ。子どもの就職先選びに親が積極的に関与する“親子就活”が日常の風景になっている。

後で親に反対されて内定辞退

2017年、選考解禁日の6月1日以降に多くの企業で“内々定式”なるセレモニーがあった。内定が解禁される10月1日の内定式にちなんだものだが、すでに内々定を出した学生を一堂に集めての幹部社員との交流会、夕方の豪華な食事付きの懇親会へと続いた。そのときに渡されるのが2枚つづりの書類。1枚は本人の内定承諾書、もう1枚が親の承諾書だ。

6月1日に内々定式を開催したエンターテイメント企業の人事担当者は「その日に学生さんには承諾書にサインしてもらい、もう1枚は親のサインをもらってくるようにお願いしています。当社に入ってもらうには学生自身の納得も必要ですが、オヤカク(親の確認を取ること)も大事。後で親に反対されて内定辞退ということにならないようにするため」と語る。

もちろん何の拘束力もないが、就活に影響力を持つ親も囲い込もうという手法だ。実際に親に反対されて内定を辞退した学生もいる。一部上場企業のデザイン会社の人事部長はこう語る。

「東大工学部の建築系の大学院生に本当にうちにくる気はあるの、と聞いたら『御社の仕事が好きです。ぜひ入りたい』と言うので、最終の役員面接まで上げました。ある役員が『あなたが行くべきなのは大手ゼネコンなんじゃないの。どうしてうちなの』と嫌みな質問をしても、『御社でぜひ仕事をしたい、絶対に入りたい』と熱意を持って語るので内々定を出しました」

「面接後に役員から彼がうちにくる確率を聞かれて、5分5分じゃないですかと答えましたが、役員は8割の確率で『うちにくるよ』と自信たっぷりでした。ところが蓋を開けたら内定辞退。本人に理由を聞くと、母親にもっと良い会社に行きなさいと言われ、それでもうちに行きたいと強く言い張ったら、最後には泣かれてしまったと言っていました。本当かどうかわかりませんが、親も親ですが、最後は親に妥協してしまう学生も問題です」

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